完全タイム差をベースに過去のレースの完全タイム差を補正しながら縦横比較すると500万条件戦ながらアザレア賞のレースレベルが高そうというところまではわかったものの、そのレースの1着馬ではなく4着馬が勝つとは予想できなかった。しかしながら、レース回顧してみると4着馬の方が勝った理由も見えてきたので、やはりレース回顧は重要である。
1.レース結果の基礎データ
2019年 5月 4日(祝) 3回京都5日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第67回京都新聞杯
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2200m・外 14頭立
馬場差 -1.8 完全タイム差 +0.3
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.6-10.5-12.3-12.2-12.4-12.4-12.4-11.8-11.7-11.5-12.1
通過:35.4-47.6-60.0-72.4 上り:71.9-59.5-47.1-35.3 ミドルペース
高速馬場であったが、1ハロン目以外は全く12秒台後半にならない淀みのないペースでありスタミナ、持続力の勝負となった。
2.隊列分析
やや速いペースだったわりには直線入り口では縦長にはなっていない。その分、L1Fはみなバテていてそんな中1頭だけ後方から上がってきたレッドジェニアルの末脚が目立った。
3.完全タイム差検証
サトノソロモンは前走能力を発揮出来ていなかったので、今回大きくパフォーマンスアップしていることも納得できる。そして、NHKマイルカップ同様、ここでも皐月賞組が大きくパフォーマンスを落としているように見える結果となっている。これらのレース結果は僕が皐月賞の時に回顧した「1.5~2秒くらいは過剰評価なのでは」との評価が正しかったことを現している。
このレースの完全タイム差はほぼ妥当と思う。
4.各馬の分析
1着 12番 レッドジェニアル 酒井学 2.11.9 34.7
スタートはよかったが無理はせず中段の位置を追走する。4角あたりからあまり外を回りすぎないように追い上げて、L1Fで他馬がバテる中1頭だけ脚を伸ばして1着となった。
レースレベルが高かったアザレア賞ではあるが、1着馬とは0.3秒差の4着だったので、改めてアザレア賞を見てみるとインをうまく立ち回った勝馬に比べて、一番外を回ったことの馬の距離ロスは大きく、勝馬との差は通ったコースの差が大きかったことがわかる。さらにアザレア賞は雨が降って馬場差-0.5の馬場で今回は-1.8であったことから高速馬場適正が高かったということも言えそうだ。
バテ比べのレースになったときのこの馬の末脚は今後もかなりの武器になりそうだ。ダービーはリオンリオンによりペースは速くなりそうで、高速馬場になる可能性も高いので、この馬は3着候補に入れるべきではないかと現時点では考えている。
2着 3番 ロジャーバローズ 浜中俊 2.11.9 35.3
内の枠であったが、1番の馬がなかなかしぶとく先手を取るのに少し苦労した。それでいて、L1Fで各馬がバテる中、逃げて2着に粘ったのはかなり強さを感じさせる走りだった。
前走のスプリングSは「パドックからゲートに入るまで、ずっと競馬に向かえる精神状態ではなかった」ということで先手が取れなかったので、自分のペースで走れなければ脆い先行馬ということだと思う。能力は高いが軸馬には向かない馬。
3着 6番 サトノソロモン アヴドゥ 2.12.3 35.3
中段から最後のバテ比べで3着に入った。
前走が1番人気で7着に敗れたが、スローの瞬発力勝負が合わなかったようで、持続力勝負では力を発揮してきた。
4着 5番 ナイママ 柴田大知 2.12.3 35.5
最後はサトノソロモンとの合わせ馬状態になわずかに敗れた。
この馬も持続力勝負が合っていそうだが、最後競り負けたようにワンパンチ足りなそうでオープンクラスで3着以内に入るのは今後も厳しそうだ。
5着 7番 タガノディアマンテ 松山弘平 2.12.5 35.9
速い流れでも楽に先手を取れて、直線に入っても粘り切れるかに思える走りだったが、最後はバテた。
皐月賞最先着だったということで、1番人気なったが、それだけ皐月賞の時計の価値を誤って判断している人が多いということだと思う。なので、今後もレースの縦横比較をしながらレースレベルを判断して予想すれば、高配当を得る可能性はかなりあると思う。
6着 4番 ブレイキングドーン 福永祐一 2.12.5 35.0
後方から、最後はジワジワのび続けたが、前半の位置取りが後ろすぎた。戦績からスピード能力が足りないように思える。かなり時計がかかる馬場、展開にならないと好走するのは難しそうだ。
7着 13番 ヒーリングマインド 池添謙一 2.12.8 35.9
外枠だたこともあり、前走とは正反対に外外を回る距離ロスの多いレースになった。が、それにしても最後は伸びなさすぎた。戦績から、高速馬場は合わないと判断してよさそうだ。
8着 1番 オールイズウェル 藤岡佑介 2.13.1 36.2
最内枠を活かして先行できたが最後はバテた。この馬も高速馬場での持続力勝負が合わなかったようだ。
9着 14番 モズベッロ 藤井勘一 2.13.2 36.6
元々人気も実力もなく、当然の結果なのだが、騎手が向こう正面でマクって行ったのは愚かな戦法だった。レース後の騎手のコメントによると2走前でマクッて勝ったからということで同じ戦法を取ったようだが、そのときのラップタイムと比べるとよくわかるが、2走前のデムーロ騎手はペースが緩んだところでマクっている。今回のようにペースが緩まないところでマクッていったら早めにバテるのは当然。この騎手はペース判断ができないということがよくわかったのでしっかり覚えておきたい。。
以下は特に見所なくコメント不要でよいと思う。
10着 2番 ヴァンケドミンゴ 藤岡康太 2.13.4 36.1
11着 11番 トーセンスカイ 武豊 2.13.5 36.8
12着 8番 ハバナウインド 岩田康誠 2.13.5 35.5
13着 9番 フランクリン 北村友一 2.13.8 36.4
14着 10番 ヤマカツシシマル 幸英明 2.14.4 36.1
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