夏の3歳馬限定戦ということで、各馬の能力比較が難しいレースである。3回東京開催の時期から3歳馬は古馬との混合戦が始まるものの、この時期の3歳馬は斤量差があることで古馬と戦えるわけで、そんな古馬混合戦で好走した馬と、早めに3歳限定戦で能力を発揮していた馬との能力比較が極めて難しわけである。今後、このレースを予想するにあたっては、好走していたとしても軽い斤量を活かしてのものかそうでないかを見極めることが、このレースを的中するカギになりそうだ。
1.レース結果の基礎データ
2019年 8月 4日(日) 2回新潟4日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第11回レパードS
3歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(指定) ダート 1800m 15頭立
馬場差 +0.3 完全タイム差 -0.5
タイムランク B メンバーランク C
LAP :12.4-10.5-11.7-12.5-13.0-12.6-13.2-12.8-12.6
通過:34.6-47.1-60.1-72.7 上り:76.7-64.2-51.2-38.6
前半は明らかに速いラップなものの、中盤はかなり緩急のあるペースになっている。4角の勝負所で13.2とかなり緩んでいるので、ここでインを走っていた馬はかなり楽ができたはず。それでも好走できなかった馬はかなり弱いと考えてもいいかもしれない。
2.隊列分析
直線で入り口で後方にいた馬はかなり弱いと考えれば、かなり短い隊列になっていると考えられる。新潟ダートは一昨年くらいまでは圧倒的にイン有利だったのだが、最近はそこまでイン有利の展開のレースが少なくなっている。内と外で砂厚を調整しているんじゃないかとも思うのだがどうだろうか。
3.完全タイム差検証
タイムランクBは過大評価。1秒は低く見た方がよさそう。
4.各馬の分析
1着 6番 ハヤヤッコ 牡 3 田辺裕信 56 1.51.3 37.8
前半は後ろの位置を追走するもペースが緩んだところでそう離れていない位置まで押し上げ、4角でさほどペースが上がらなかったことから楽に外の好位につけて、直線ではそとから末脚を発揮して他馬を差し切り1着となった。
前走は芝スタートのコースで行き脚がつかず凡走したが、それ以外のダート戦では末脚を確実に発揮することが多かったので、前半がハイペースで最後は末脚勝負になったことがよかったようだ。また、4角でペースが上がらなかったことや途中でかなりペースが緩んだことも、前半で後方の位置に下げていたこの馬に向いた展開になった。
2着 10番 デルマルーヴル 牡 3 吉田隼人 56 1.51.3 38.3
スタート後先行争いに加わろうとするも他馬が速いので一旦後ろに下げインのポジションを走ることに徹する。中盤でペースが緩んだところに乗じてインから前の方へとりつき、4角ではインの距離得を活かして2番手の位置まで押し上げ、直線で早めに先頭に立つも最後はバテて2着になった。
騎手のコメントだと前半で少し脚を使ってしまったことで、最後バテたということだが、そんなに長く先行争いには加わらなかったし、中盤はペースが緩んでインを走る距離得も活かせていたので、その割には最後の直線の走りは大したことないように見えた。
立ち回りの上手さはあるがさほど強い馬とは思えない。
3着 9番 トイガー 牡 3 宮崎北斗 56 1.51.4 38.1
後方から2番手を追走し、最初はやや外を回っていたが3,4角で最内に潜り込み3角で距離得を活かして前方に行き、最内からじわじわ伸び続け3着になった。
スタート後の先行争いに加わらなかった馬が上位にきているので、序盤で脚を温存できたことが大きかったレース展開だったということ。加えてこの馬は勝負所でインに入れたことや勝負所でペースが上がらなかったことに恵まれた感はある。
4着 3番 ブルベアイリーデ 牡 3 丸山元気 56 1.51.5 37.7
この馬も序盤は後方から、インを走っていたが、4角で大外へ持ち出し、ハヤヤッコのかなり外から直線入ってすぐはハヤヤッコと同じような脚で追い込んでくるも最後は末脚が鈍った。
前半の先行力がなく末脚勝負の馬のようだが、いい脚はさほど長く使えないようだ。加えて、コーナーワークがあまり上手くないので直線で外を回ることが多くなりそう。すでに2勝クラスを勝っているので、3勝クラスでは今後苦戦しそうだ。
5着 13番 サトノギャロス 牡 3 川島信二 56 1.51.6 38.8
外枠ながら激しん先行争いのなか2番手につける。直線ではデルマルーヴルが前に出る中かなり2番手で粘っていたが、最後は他馬の末脚に屈して5着になった。
激しい先行争いに加わった馬の中では一番最後まで粘れていたので悪い走りではない。先行力があって持続力で勝負できそうなタイプなので、古馬との戦いでは斤量差を活かしたはしりができそうだ。3勝クラスでもそこそこやれるのではないだろうか。
6着 4番 ヴァイトブリック 牡 3 戸崎圭太 56 1.52.2 38.9
行き脚つかず後方から、やや外を追走するも4角の勝負所では馬郡の真ん中に入ってしまい、ペースが緩くても何もできず、直線では外に出したものの大して伸びなかった。
ユニコーンSで惨敗したとき、その前走の園田G2戦で2着だったものの1着から0.9秒も離されてのものだったので、そもそも実力は大したことなさそうという趣旨の回顧をしたが、やはりそれは正しく大して強くない馬という評価で良いと思う。今後古馬とのレースでも好走することは難しそう。
7着 12番 ロードリバーサル 牡 3 野中悠太 56 1.52.7 39.6
スタート後つまづくもしっかり先行争いに加わり4,5番手を追走。しかしながら末脚がないタイプのようで、直線ではまったく伸びず7着となった。
先行力はかなりあると考えてよさそう。楽に逃げれるようなレースであればという条件が付くが、まだ2勝クラスの馬なので、今後好走する機会はありそう。
8着 8番 ハヤブサナンデクン 牡 3 大野拓弥 56 1.52.7 40.0
激しい先行争いを制して逃げたが、終始2番手のサトノギャロスにつつかれて息が入れられず、直線では大きくバテた。
先行力はあるが、もっと楽な展開になることが好走条件になりそうだ。
9着 2番 アヴァンセ 牡 3 津村明秀 56 1.52.8 39.4
中段最内を追走し、4角では緩いペースと距離得が活きて、勝負可能な位置まで上げるが、全く伸びなかった。
前走は古馬1勝クラスで勝っているといっても斤量差が活きたもので、9着も立ち回りのよさと展開に恵まれてのものであり、ここでは実力がかなり劣っているのは明らか。
10着 11番 エルモンストロ 牡 3 三浦皇成 56 1.52.9 39.6
前半は先行グループから少し離れた6番手につけるも、速い脚が一瞬しかない馬なので、この展開では何もできずに終わった。
11着 15番 ビルジキール 牡 3 内田博幸 56 1.53.2 40.3
先行力があり大外ながら3番手につけるも直線では全く伸びなかった。
前走が古馬3勝クラスで2着なので、実績としてはかなり上位のものに見えたが、この結果からどうやら古馬との斤量差を活かしての好走だったようだ。さらにこの馬は4角の勝負所で置かれることがあるということなので、楽に先手が取れるレースでないと苦しそう。
12着 14番 アッシェンプッテル 牝 3 城戸義政 54 1.53.3 39.8
序盤で積極的に先行争いに加わろうとするもそれが災いしたか向こう上面で早くも後退して、まるでいいところがなかった。
この馬も前走古馬2勝クラス勝は斤量差を活かしてのものだったのだろう。今後3勝クラスでの好走はかなり難しそう。
13着 7番 ブラックウォーリア 牡 3 国分恭介 56 1.53.3 40.2
序盤の先行争いでの走りは悪くなかったが、先行争いが激しすぎて自身の良さが活かせなかった印象。楽に先行出来る組み合わせであればという気もするが、古馬3勝クラスでは好走は難しいかもしれない。
14着 5番 ワシントンテソーロ 牡 3 木幡巧也 56 1.54.3 40.5
後方のまま何もできず、ここでは能力が劣った。
15着 1番 メスキータ 牡 3 森裕太朗 56 1.55.2 40.2
後方のまま何もできず、ここでは能力が劣った。
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