モズアトラクション、サトノティターンは軸には向かないムラ馬であり、ハイランドピークはずっと不調で、さらに今回は今までとは違ったレースぶりをするなど、予想するのはかなり困難な結果となった。
1.レース結果の基礎データ
2019年 8月11日(祝) 1回札幌6日 天候: 晴 馬場状態:稍重
11R 第24回エルムS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1700m 14頭立
馬場差 -1.6 完全タイム差 +0.2
タイムランク C メンバーランク C
LAP : 6.5-10.6-11.4-11.9-12.1-12.1-12.3-12.4-12.6
通過:28.5-40.4-52.5-64.6 上り:73.4-61.5-49.4-37.3
前日の不良馬場からやや重まで回復してきていたとはいえ、高速馬場であった。かなりのハイペースになりながらL1Fは12秒台になっているのも高速馬場だったからということだろう。
2.隊列分析
かなりの縦長になっているが、1,2着馬は直線入り口ではかなり前目につけているので、やはり小回りコースなので立ち回りの上手さが必要なレースとなった。
3.完全タイム差検証
+0.2はやや過大評価、あと0.5秒程度は低く見た方がよい。
4.各馬の分析
1着 4番 モズアトラクション 牡 5 藤岡康太 56 1.41.9 36.0
前半は行く気なく後方から、残り400mあたりから一気に加速するとグングン伸びて、1着となった。
先行馬が総崩れとなるハイペースの中、後方から外を回らずやや内を通って4角で一気に加速できたのがよかった。この走りができるのであれば、先行馬が揃って前半が速くなりすぎると予想出来るレースであれば安定的に好成績が期待できると思うものの、この馬は昨年10月のレースで1コーナーおよび3コーナーで銜(ハミ)受けが不良となり前進気勢を欠き、平地調教再審査となったことがあった。この件以来僕はこの馬をムラ馬と見て軸には出来ない馬だと考えている。このところ成績が安定しているのは北海道の滞在競馬があっているということもありそう。
2着 13番 ハイランドピーク 牡 5 横山和生 57 1.42.2 36.6
先行グループからやや離れた7番手を追走し、3角手前のことにはインの位置を取り、コーナーに入るころからロングスパートを開始、直線に入ってモズアトラクションには交わされたように脚色はやや鈍ったものの前の馬がバテたのに乗じて2着になった。
逃げ先行のイメージがある馬ではあるが、序盤のスピードはそう速くないので、先手が取れないと凡走していたのだが、今回は早めのロングスパートを距離ロスないインを通ることで持続力を活かしたレースをした。距離ロスがなかったことと前がバテる展開だったことから2着になれたので、立ち回りのよさと展開がハマったことで2着になれたということ。前走の大沼Sとパフォーマンスはあまり大差ないので復調したということではない。今後は成績が安定しそうとは考えない方がよい。あと、この馬は湿った馬場の方がよいということも覚えておくべき特徴である。
3着 6番 サトノティターン 牡 6 藤岡佑介 57 1.42.4 36.0
後方追走から直線では外を回って追い込んで、3着になった。
直線での末脚はさほど鋭いようには見えず。3着から6着まではほとんど差がなく、ゴール直前で他馬の脚色が鈍ったことに助けられてかろうじて3着に入ったという印象。だいぶ鞭には耐えられるようになったものの、最後の直線では少し外にヨレていた。器用さがなく大外回って追い込むことしかできず、末脚もさほど鋭くないので、今後もかなりメンバーや展開に恵まれないと3着以内に入るのは厳しいと考えた方がよさそう。
4着 11番 レッドアトゥ 牝 5 福永祐一 54 1.42.4 36.5
中段のやや後方を追走し、3角で前にいたグリムがスパートしたのに合わせて、グリムの外から進出を開始し、直線に入るころにはグリムは交わしたものの、まだ前に馬が4頭いる状態で、自身の脚色は鈍ってきていたもののゴール前で2頭は交わしたが、サトノティターンにギリギリ差されての4着だった。
福永騎手のレース後コメントで「グリムが相手だと思って、結果外を回ってしまいました。相手を間違えました。もっと内を通れば良かったです。」とあるように内を回っていれば3着はあったと思われるレースぶりだった。少なくともサトノティターンよりは立ち回りは上手と考えてよさそう。末脚が武器の馬なので、今後も前崩れが狙えるレースであれば好走出来ると思う。
5着 14番 リアンヴェリテ 牡 5 国分恭介 56 1.42.4 37.7
大外から何が何でも先行する構えを見せたが、内のドリームキラリが速かったため2番手となるが、その後ずっと前がやり合う厳し展開となる。4角でドリームキラリを競り落とし、直線でもかなり粘っていたが、ギリギリ差されて5着だった。
3着とはほとんど差がない5着なので、前半がかなりハイペースだったことを考えるとかなり強い競馬をしている。大外枠でなく内枠だったら3着に粘っていただろう。
6着 7番 タイムフライヤー 牡 4 池添謙一 56 1.42.4 37.4
3番手でかなり前に喰らいつく形で先行し、最後まで良く粘っていた。この馬はやや早熟傾向があり、芝の古馬重賞で苦戦していたが、ダート戦で活路が見いだせた形となった。先行力と粘りがあるので、ダート戦で好走出来る機会はありそうだ。
7着 12番 グリム 牡 4 武豊 57 1.43.0 37.3
やや後方追走から、4角で進出を試みるも大した末脚を発揮できなかった。
途中で息が入れないないようなハイペース戦は苦手なようだ。
8着 2番 テーオーエナジー 牡 4 岩田康誠 57 1.43.7 38.3
先行力を活かすタイプの馬ではあるがここまでハイペースになると先行できず何もできずに終わった。そもそもこの馬の実績はオープン特別までで、重賞では少し力が足りない。
9着 5番 モルトベーネ 牡 7 服部茂史 56 1.43.9 37.9
この馬も重賞では能力不足。後方のまま見所無し。
10着 9番 サングラス 牡 8 古川吉洋 56 1.44.1 37.5
この馬も重賞では能力不足。後方のまま見所無し。
11着 3番 ドリームキラリ 牡 7 坂井瑠星 56 1.44.1 39.5
先行して、大きくバテる。59キロを背負って先行して粘るほどの実力はあるはずだが、競り合うとだめなようだ。
12着 8番 メイショウスミトモ 牡 8 柴山雄一 57 1.44.2 37.9
この馬も重賞では能力不足。後方のまま見所無し。
13着 10番 リーゼントロック 牡 8 松岡正海 56 1.44.5 37.8
この馬も重賞では能力不足。後方のまま見所無し。
14着 1番 マルターズアポジー 牡 7 菱田裕二 56 1.47.7 42.5
スタートでつまずいて逃げれず3、4番手で先行して最後方までバテた。もうダートでもいいところが見せれず、完全終了の感が強い。
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