張り替えた内の芝の状態が相当よかったようで、かなりの高速馬場になった、他のレースでも2ハロン目以外でも10秒台のラップタイムが頻発していたので、かなり極端な高速馬場状態だった。ここまでくると高速馬場適正を考慮しないと馬券が取れなくなる。土曜日や午前中のレースでのチェックが重要ということを改めて思い知らされた。
このレースも、タワーオブロンドンのピックアップは簡単だったが、2,3着を当てるのが難しいレースだった。3歳の成長力、可能性を予想するのはとても難しい。
1.レース結果の基礎データ
2019年 9月 8日(日) 4回阪神2日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第33回産経賞セントウルS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1200m・内 13頭立
馬場差 -1.4 完全タイム差 ±0
タイムランク C メンバーランク C
LAP :11.9-10.3-10.8-10.8-11.3-11.6
通過:33.0-43.8-55.1-66.7 上り:66.7-54.8-44.5-33.7
中山、小倉ほどには前半が速くなりにくい阪神コースで、2~4ハロン目まで10秒台となったので、ハイペースに加えて馬場の高速状態が尋常でなかったことが伺える。
2.隊列分析
直線入り口でさほど隊列が長くなっていないので、極端なハイペースではなかったということ。また、馬場を張り替えた内を走りたい馬が多く、内よりの隊列になっている。
3.完全タイム差検証
パフォーマンスをアップさせている馬が多いので、やや過剰評価。0.6秒くらいは低く見た方がいい。レースレベルはあまり高くない。
4.各馬の分析
1着 7番 タワーオブロンドン 牡 4 ルメール 57 1.06.7 33.2
あまり速くないスタートだったが、3角の入り口までに内に潜り込み、コーナーを距離ロス少なく走ることによって、中段の位置まで上がって、直線に入ると少しづつ外に出して、外から加速するとノーステッキで一気に差し切って1着になった。
全く危なげのない走りだった。この馬だけ次元が違う末脚に見えたがそれは他馬の末脚が大したことないためで、これは戦前からわかっていたこと。それでいて、マテラスカイが引っ張ってある程度流れることも予測できたので、この馬の1着を予想するのは難しいことではなかった。
上がり3ハロン33.2の末脚を繰り出せたので高速馬場適正はあるが、それでも今までは末脚勝負になるとトップスピードで劣ってくるので、引き続き、瞬発力の優れた馬のいる組み合わせでは分が悪い馬と考えた方がよい。また、今回は小頭数とポジショニングの良さが楽勝に結びついたと考えるべきで、今回のレースでこの馬が強いと考えるのでは危険だと思う。
2着 6番 ファンタジスト 牡 3 和田竜二 54 1.07.2 34.0
好スタートから積極的に前を追いかけ終始3番手を追走する。直線に入っても最後まで粘り切って2着となった。
近走、後方からで末脚に賭けるレースをするも大した末脚が発揮できないレースが続いていたが、先行して粘り切るスタイルにキャラ変して好走することができた。前走の北九州記念での凡走から僕はこの馬軽視してしまったが、こういうことがあるから、やはり3歳の評判馬の古馬対決は1戦だけで見限ってはいけない。見限るのは2戦凡走してからにすべきということはこのレースの僕の最大の教訓になった。前走の北九州記念後の武騎手のコメントで「スタートが悪かったし、久々の1200メートルで流れに乗れなかった。もともと短距離がいいと思っていたので、次はいいと思う。」という内容があったので、一応警戒すべき材料はあった。
もうこの馬は大した末脚は発揮できそうにないので、先行粘り込みの戦法で今後は行くとおもうが、今回は54キロだったことと、3着馬以降に末脚のしっかりした馬がいなかったことに恵まれて粘り込みが叶ったようにも見えるので、今後も活躍できるかどうかはメンバー次第だと思う。
3着 4番 イベリス 牝 3 浜中俊 52 1.07.3 34.0
好スタートから、ファンタジストの少し後ろの4,5番手を追走し、直線ではジワジワ伸びて3着を確保した。
ファンタジストとは逆にいつも逃げていた馬が、控える競馬にキャラ変して好走した。こうした、2,3着馬はキャラ変して好走したので、予想するのは極めて難しい結果となった。
ただ、このレースは末脚の確かな馬がタワーオブロンドンしかいないので、前に行く馬が有利なのはわかっていたので、一応イベリスは警戒することができた。イベリスも逃げ戦法に限界を感じて控えて差す競馬に変えたようだが、控えるといったも比較的前に行っったことが好走要因で、この馬の武器は先行力ということになる。ただ今回は52キロだったということもあり、古馬との斤量差がなくなっても好走できるかどうかは微妙だと思う。
4着 1番 ペイシャフェリシタ 牝 6 幸英明 54 1.07.3 34.0
最内5番手追走。コーナーを最も距離ロスなく走るも、直線では、ファンタジストとマテラスカイが壁になり追えず、最後100mで追い出すも4着となる。
直線入り口まではポジショニングの面ですごく恵まれていたが、これで3着以内に入れないのであれば、今後3着以内に入るのは難しいかもしれない。直線で前が壁になったとはいえ、一瞬の脚や勝負根性があればなんとかできるレベルの壁であったため、この馬は少し気が弱いのかもしれない。
5着 3番 キングハート 牡 6 小崎綾也 56 1.07.6 34.1
インの中段をロスなく立ち回る。直線では大して伸びないものの、他馬に速い馬がいなかったので、5着に入れた印象。久々の掲示板ではあるが、特に見所はない。
6着 8番 ダイメイプリンセス 牝 6 川田将雅 54 1.07.6 34.0
中段追走するも4角での手ごたえが悪すぎた。それでも直線では少し伸びた。
この馬は小倉、新潟に良績が集中しているが、坂というよりはコーナーを苦手にしているように見える。引き続き中央場所では狙いを下げることで大丈夫だと思う。
7着 2番 マテラスカイ 牡 5 武豊 56 1.07.6 34.6
芝スタートのスピードが速いことから、芝でもやれるのではと人気になり、その通り速いスピードで逃げてレースを引っ張ったが、このメンバーで粘れないのであれば、芝レースでの連対は難しいのではないだろうか。
8着 12番 ミスターメロディ 牡 4 福永祐一 58 1.07.7 34.3
スタートは速くないが、二の足で中段の位置に押し上げる。直線では大して伸びず。
この馬は、内枠で距離ロスなく走って、前目の位置が取れた時に好走するようだ。内枠で前目で走れそうと思えるレースでは警戒は必要であるが、軸馬に向く馬ではない。
9着 10番 モーニン 牡 7 岩田康誠 57 1.08.1 33.8
前半はまるでついていけなかったが、後半はそこそこの末脚をだした。高速馬場にはまるで対応できないが、時計のかかる馬場になれば末脚を活かして穴を空ける可能性はあると思う。
10着 9番 カイザーメランジェ 牡 4 江田照男 56 1.08.4 34.8
後方追走のまま何もできず。函館スプリント勝ちは手薄なメンバーでスローペースで逃げれたからのものであって、同様のパターンの再現は極めて難しいと思う。
11着 5番 ラブカンプー 牝 4 川須栄彦 54 1.08.4 35.3
2番手追走も直線でズルズル後退。やはり復調の兆しは見られず。
12着 13番 タマモブリリアン 牝 6 太宰啓介 54 1.08.5 34.6
前半ついていけず。高速馬場適正はまるでない。
13着 11番 アンヴァル 牝 4 藤岡康太 54 1.13.1 39.4
かなり後方から、4角から直線にかけては大外から伸びようとするも、大きく後退してしまった。
熱中症だったという説もあるが、戦績から、やや時計のかかる馬場で好走しているので、高速馬場では狙いを下げることも可能であった。今後は高速馬場では軽視でよいと思う。
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