このメンバーであれば、ドレッドノータスをピックアップすることは難しくはないものの、グローリーヴェイズが3着以内に入らないことを予想することは難しかった。予想ではドレッドノータスもシルヴァンシャーもピックアップできたのにまだまだ自分の予想の甘さを痛感させられたのだが、今回の結果をしっかりと回顧して次につなげたい。
1.レース結果の基礎データ
2019年10月 6日(日) 4回京都2日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第54回京都大賞典
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 2400m・外 17頭立
馬場差 -1.6 完全タイム差 +0.4
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.9-11.0-11.5-12.1-12.2-12.2-12.3-12.4-11.7-11.6-11.5-12.1
通過:35.4-47.5-59.7-71.9 上り:71.6-59.3-46.9-35.2
馬場は中山・阪神開催のような超高速馬場ではないものの、高速馬場であった。
ラップは全体的には平均ペースであるが、序盤はさほど速くなくL4Fからスパートするロングスパート戦になった。
2.隊列分析
直線入り口ではロングスパート戦でも隊列はあまり長くなっていない。ただし、ここで後方にいた馬は勝負にならない展開であった。京都大賞典は内枠有利と言われているが、そのとおりであることがよくわかる隊列になっている。やはりコーナー4つあることからインを距離ロスなく走ることが重要なのだろう。
3.完全タイム差検証
やや過大評価の完全タイム差に思える0.6秒くらいは低めに見た方によさそう。
4.各馬の分析
1着 7番 ドレッドノータス セ 6 坂井瑠星 56 2.23.5 34.9
好スタートから初速の速さで楽に先頭の最内のポジションを得ることに成功する。その後直線の先行争いでは外枠の馬を前に行かせ、自身は最内で3番手のポジションでレースを進める。残り800mで外の馬が動くものの最内で距離ロスがないことを活かしじっくり構え直線に入ってダンビュライトを交わしそのまま1着となった。
序盤で最内の好ポジションを取れたことがすべてであり、距離ロスなく走れたことと、末脚の鋭い馬がいなかったことに恵まれた勝利であることは間違いない。
競馬ではこうしてインをロスなく立ち回れた不人気馬が好走するケースはかなり頻繁にあり、このレースのメンバーは序盤に速い馬がいなかったので、この馬が楽に先手を取って好走するかもと予想するのはさほど難しくはない。また、函館記念のレース回顧で書いたように近走は安定して能力を発揮していることもピックアップしやすい点であった。ただ、今回は恵まれての勝利なので今後重賞で好走出来る可能性は低いと思う。
2着 14番 ダンビュライト 牡 5 松若風馬 57 2.23.7 35.4
スタートはさほど速くなかったが、序盤の長い直線を活かしてじわじわと前に進出して、先頭のポジションを得ることに成功した。その後淀みのないペースで先行し、最後までしっかり粘り切って1着となった。
一本調子の走りしかできない馬であるので今回のように平均ペースで逃げれたことがハマった好走となった。今回のメンバーであれば、ダンビュライトに向いた展開になることは予想できたものの、今回は外枠であったため、序盤のポジショニングで苦労して好走出来ないのではないかと考え僕は消してしまったが、ここまで楽に先手がとれれば外枠は関係なかった。それだけ、先行力の劣る馬の組み合わせだったということなのだろう。
3着 6番 シルヴァンシャー 牡 4 浜中俊 56 2.23.8 35.1
序盤は行く気なく、中段のやや後方の外のポジションを追走する。向こう正面では内にいたクリンチャーにぶつけられ外に張り出す不利を受けたが、臆することなく、残り800mから進出し直線入り口のころには外から前目の位置にこれたが、ここまで激しく手が動き鞭がかなり入っていた。それでも最後まで伸び続けゴール直前で3着に浮上した。
外から追い込んだ馬の中では一番いい走りを見せた。中盤は出入りが激しくぶつけられる不利も受けたので勝負根性はかなりありそう。ロングスパートができたが、進出するのにかなり騎手が苦労したようなので少しズブイ面はありそう。その意味では直線の短い小回りコースは向いていないと思う。また、あまりトップスピードは速くなさそうなどで今回のように平均ペースの持続力勝負が得意な馬ということだと思う。今後も好走出来る可能性は高いと思うが、この馬の特徴をしっかり覚えて賢く狙っていきたい。
4着 1番 ノーブルマーズ 牡 6 高倉稜 56 2.24.0 35.3
スタートして激しく手を動かし先手を取ろうとするものの、ドレッドノータスにあっさりと前のポジションを奪われてしまう。その後外から前に出た馬がいたことから、結局最内で5,6番手の位置を追走する。勝負所で最内の距離ロスがないことからじっくり構えることができて、直線で3番手まで上がれたが、最後は差されて4着となった。
戦績と1番枠ということから穴人気になっていたが、この馬は末脚がイマイチなので直線入り口で勝負圏内にいることが好走条件であるのに、序盤のスピードがないので、相手関係に恵まれないといいポジションが取れないという弱点があるので、僕は今回は多頭数であることから、この馬を軽視することができた。馬券を買った人からするとドレッドノータスにあっさりと前のポジションを奪われたことに不満を感じるかもしれないが、もうそういう走りを何度も見てきているので、もうそういう馬だと思った方がよい。
ただ、そのわりには4着は好走出来た方だった。やはり最内で距離ロスなく走れたことが大きかったのだろう。
5着 4番 エタリオウ 牡 4 横山典弘 56 2.24.1 34.8
最後方追走から、直線で大外から追い込むも4着が精いっぱいだった。
馬場、展開ともに外から回って追い込むのには厳しいものになった。ただ、休み明けでしっかり末脚が使えていたので、次走は少しパフォーマンスを上げる可能性はありそう。
6着 16番 グローリーヴェイズ 牡 4 M.デム 57 2.24.3 35.7
序盤はじわっと押し上げるものの最初の長い直線で一時期は前から2番手の位置まで上がってしまう。その後ジョッキーが落ち着かせようとして少し後ろに下げようとするするものの、内からノーブルマーズが競りかけてきたり、外からメートルダールやクリンチャーが早めに押し上げてくるのに翻弄され。道中全く落ち着くことができず、直線ではギアが上げることが出来ず、最後はノーブルマーズに前を塞がれる不利を受けるも不利がなくても大した脚が使えない印象の6着だった。
前半でここまで折り合いを欠き、能力を発揮出来なかったのは意外であったが、この馬はまだキャリアが少なく休み休み使っていたのでこの馬のキャラクターを掴み切れていなかったということが今回の最大の敗因であった。この馬、新潟2000mでのレースが新潟でありがちのスローの瞬発力勝負にならず。日経新春杯も極端なハイペースになるなど、中距離のレースでは持続力勝負でこなしていた。この馬は父はディープインパクトであるものの、母の父はスウェプトオーバーボードであることから、中距離の瞬発力勝負よりも持続力勝負に強いようになった可能性が高いことが今回の結果から考えられる。つまり、中距離でスローから大して速くない平均ペースになった場合は全く能力が発揮できない可能性が高いということである。そう考えると今後は中距離戦でこの馬を軸にした予想は難しいと思われる。ハイペースなどで持久力勝負になったときに浮上する馬と考えた方がよいということだと思う。
7着 10番 ウラヌスチャーム 牝 4 大野拓弥 54 2.24.3 35.3
後方追走から、直線ではインを突いて伸びてきた。ただし、インを上手く突けたわりには大した末脚を使えなかったので、古馬混合のG2戦ではこの程度であろうという走りであった。
8着 13番 メートルダール 牡 6 和田竜二 56 2.24.5 36.0
後方追走から早めに外から進出するも、直線では大した脚が使えなかった。
9着 3番 クリンチャー 牡 5 池添謙一 56 2.24.6 36.0
中段追走から向こう上面では外のシルヴァンシャーをはじき飛ばして外から前にでようとするものの、大した脚は使えなかった。
この馬、やっぱり復調の兆しは見られない。
10着 8番 パリンジェネシス 牡 5 松山弘平 56 2.24.7 35.6
スタートはあまり速くなく、後方のやや外目を追走、直線も外から上がって行かざるを得ない状況になり、大した脚は使えなかった。
先行することが多い馬だっただけに、先行前残りを少し期待したが、かなり前半に遅いメンバーにならないと先行することが出来ないことを示した。特に今回のように最初の直線が長いレースでは先行はできなさそうだ。
11着 5番 チェスナットコート 牡 5 岩田康誠 56 2.24.7 35.7
中段最内をずっと追走していたが、直線に入っても大した脚は使えなかった。距離ロスなく立ち回れていたのに見所なかったので、かなり弱いとの評価でよいと思う。
12着 9番 エアウィンザー 牡 5 三浦皇成 56 2.25.3 36.5
中段追走から直線でまるで伸びなかった。この馬の戦績からすると伸びなさすぎなので、これが休み明けなのか、調子を崩したのか、次走で判断する必要があるが、少し狙いを下げることで良いと思う。
13着 12番 リッジマン 牡 6 蛯名正義 57 2.25.4 36.4
後方のまま見所ない。
14着 15番 レノヴァール 牡 4 藤岡康太 56 2.25.4 37.0
外からじわっと先行し2番手追走するも直線ではずるずる下がる。重賞では通用しない。
15着 11番 アドマイヤジャスタ 牡 3 北村友一 53 2.25.6 36.9
序盤は先行するも直線ではずるずる後退。古馬オープンでは通用しないと考えてよさそう。
16着 2番 アルバート 牡 8 藤岡佑介 56 2.26.3 37.3
後方のまま見所無し。
競争中止 17 ウインテンダネス 牡 6 菱田裕二 56
スタート直後落馬。スタート時の騎手との呼吸が合わなかっただけの落馬に見えた。
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