多頭数のレースではあったが、直線での瞬発力比べになり、瞬発力の能力差がはっきり出て、順当な結果が出たレースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2019年10月19日(土) 4回東京6日 天候: 曇 馬場状態:稍重
11R 第22回富士S
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) 芝 1600m 18頭立
馬場差 -0.7 完全タイム差 +0.5
タイムランク D メンバーランク C
LAP :12.2-10.9-11.9-12.0-11.9-11.3-11.1-11.7
通過:35.0-47.0-58.9-70.2 上り:69.9-58.0-46.0-34.1 平均:1F:11.63 / 3F:34.88
馬場を考えるとそう緩いペースではないが、中盤でペースが緩み脚が貯めやすい直線での瞬発力勝負のレースとなった。
2.隊列分析
あまり縦に長い隊列にはなっていないが、ハイペースというわけでないのに前にいた馬が全滅に近い状態になったのは、前につけた馬が相当弱かったということが言えるのかもしれない。
3.完全タイム差検証
少し評価が難しいが、2着~6着まで明らかに前走よりよい走りだったし、これ以上評価を下げるとノームコアの実力を見誤りそうなので、この完全タイム差は妥当と見てよいのではないかと思う。
勝馬が+0.5なので今年の古馬G3戦としては標準的なレベルとなる。
4.各馬の分析
1着 16番 ノームコア 牝 4 ルメール 56 1.33.0 33.2
かなりの好スタートだったが、あえて抑えて中段を追走。直線に入って外に持ち出し、そこから楽に加速し最後までしっかり伸び続け1着となった。
レース映像を改めてノームコアに注目して見返すと、全く楽に外差しを決めて勝っているように見えて、ここでは他馬と力が違った印象。
スローペースで、道中ではよけいな脚を使わず、長い直線を活かして末脚を発揮出来るレースが、この馬の強みを一番発揮出来るパターンで、今回はそれにハマったということでこれだけ強く見えたのだと思う。この馬が末脚を発揮出来ないパターンは緩急のあるペースになり道中でよけいな脚を使わされるパターンなのだが、今後ルメール騎手が乗ってくれればそのあたりは上手くコントロールしてくれると思うので、G1レースでもかなり有力なのではないかと思う。
2着 9番 レイエンダ 牡 4 スミヨン 57 1.33.1 33.0
後方から3番手を追走。ノームコアの後ろで同じように外に持ち出し、直線で最後まで伸びて2着になった。
上がり3ハロンタイムはノームコアより速いが、直線ではノームコアを交わせるような末脚は発揮出来なかった。
この馬はスローペースでないと末脚を発揮出来ないので、マイル戦の流れには対応できないのではと考えてしまったが、後方に位置して自身がスローペースのバランスにすれば、マイル戦でも末脚を発揮出来ることを示した。戦績からアテにしづらい馬ではあるが、非凡な瞬発力を持っている馬なので、常に警戒が必要。
3着 2番 レッドオルガ 牝 5 福永祐一 54 1.33.1 33.6
中段の最内を追走。直線に入って少し外に持ち出し、進出を図るも中々前に出すスペースがなく、かなり外に出してL1Fから追い出してしっかり伸びて3着となった。
この馬も道中で脚を貯めれる展開になればしっかりした末脚を発揮出来る。ノームコアとは瞬発力の差があったが、直線でもっとインをつければ2着はあったと思わせるような走りだった。
4着 17番 クリノガウディー 牡 3 戸崎圭太 54 1.33.3 33.3
道中はノームコアの少し後ろを追走。直線では馬場の真ん中をつき、しっかり伸びてきたが、L1Fで少し末脚が鈍って4着になった。
直線に入ってからの伸びはかなりよかったが、それはあまり長くは続かないようだ。それでも、直線の長いコースでじわじわ追い込むレースがこの馬には向いているようだ。54キロでもやれたことは収穫だったと思う。
5着 10番 カテドラル 牡 3 シュタル 54 1.33.4 33.5
後方からになったが、インに切れ込みながら徐々にポジションを押し上げ、インを距離ロスなくコーナーを回ることにより直線入り口では中段の位置まで来るも、直線での末脚は大したことないように見えたが最後はインからしぶとく伸びて5着となった。
上位勢とは明らかに末脚は見劣ったが、インは馬場が悪かったこともあるので、少し見直しが必要かもしれない。古馬重賞でもそこそこやれそうな可能性は示した。
6着 1番 キャンベルジュニア 牡 7 石橋脩 56 1.33.5 34.3
インの3番手追走から、直線では鞭が入りっぱなしになり追い続けL2Fあたりまではかなりよい末脚に見えたものの、最後は上位勢に末脚は見劣った。
人気の割にはかなり走っており、好位差しが活きるような展開になればやれそうなところは示した。
7着 12番 エメラルファイト 牡 3 石川裕紀 56 1.33.6 34.5
真ん中の枠ながら積極的に前の位置を取りに行き4番手の追走。直線に入ってジワジワ伸びて、L1Fの手前で一旦先頭に立つ場面もあったが、そこからの末脚が見劣った。
古馬重賞で56キロでここまでやれたので、今後どこかで好走できる可能性を示した。好位差しタイプで瞬発力はさほどでもないので、中山向きなのかもしれない。
8着 8番 メイショウオワラ 牝 5 大野拓弥 54 1.33.6 33.8
中段追走から、直線での末脚は大したことなかったが、最後までじわじわと伸び続けてはいた。
9着 7番 アドマイヤマーズ 牡 3 M.デム 57 1.33.7 34.1
中段追走から、直線で外に出して伸びようとするも、大した末脚は使えなかった。
NHKマイルカップの勝馬が古馬重賞で通用しないことはよくあるので、この結果は驚きではない。元々瞬発力に秀でていたわけではなく、最後の競り合いでの勝負根性で勝ってきた馬なので瞬発力勝負ではこんなものなのだろう。ただ、最後メイショウオワラに競り負けたのは不満が残る内容であり、古馬とのレースでは全く活躍できない可能性も感じる走りだった。
10着 5番 ショウナンライズ 牡 6 三浦皇成 56 1.33.8 34.8
2番手追走だったが、直線での末脚はいいところがなかった。
11着 4番 トミケンキルカス 牡 7 丸田恭介 56 1.33.9 35.0
逃げたが、直線であっさり捕まりいいところがなかった。
12着 14番 ダッシングブレイズ 牡 7 横山典弘 56 1.33.9 33.6
後方追走から最後はインをつくも大した末脚は発揮できなかった。
13着 3番 アンノートル 牡 5 柴田大知 56 1.33.9 34.3
中段追走から、直線では見所無し。
14着 6番 イレイション 牡 7 田辺裕信 56 1.34.0 34.7
5番手を追走していたが、直線では見所無し。
15着 18番 ストロングタイタン 牡 6 津村明秀 56 1.34.0 33.5
最後方追走から、直線ではなかなか伸びず。大外からL1Fでちょっとだけ伸びたが、見所無し。
16着 11番 リコーワルサー 牡 4 内田博幸 56 1.34.0 34.6
見所無し。地方馬であり、中央競馬での好走は無理だろう。
17着 15番 ロジクライ 牡 6 武豊 57 1.34.2 34.8
中段追走だったが、外枠ということもありかかり気味だったとのこと。直線では全くいいところがなかった。
この馬前走で外枠がよくないことを示したが、やはり外枠はよくない。また、瞬発力勝負は向かない。
18着 13番 ジャンダルム 牡 4 藤井勘一 56 1.34.5 35.2
スタートよく5番手で追走できたが、瞬発力勝負ではまるで出番なし。
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