厳しいレースになったときのインティの脆さは想像以上だった。条件さえ整えば相当高いパフォーマンスが出来る馬でも凡走することがあり得るのが競馬ということを思い知らされるレースとなった。やはり競馬で勝つには馬の個性をしっかり把握することが大事ということなのだと思う。
1.レース結果の基礎データ
2019年11月 3日(祝) 5回京都2日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第9回みやこS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1800m 16頭立
馬場差 -0.6 完全タイム差 -0.5
タイムランク B メンバーランク B
LAP :12.1-11.2-11.6-11.7-12.4-12.5-12.4-12.2-13.0
通過:34.9-46.6-59.0-71.5 上り:74.2-62.5-50.1-37.6
1,2ハロン目はそう無茶苦茶速いわけではないのだが、3,4ハロン目で11秒台が続いたことで前にいた馬が相当苦しくなるレースであったようだ。持続力勝負にはなったものの、最後のラップはさほど減速していないので、見た目ほど乱ペースのレースではなかったようだ。
2.隊列分析
ハイペース戦らしく縦長の隊列になったが、L1Fでさほどペースが落ちていないので直線入り口で前にいないとダメなレースであった。
3.完全タイム差検証
過大評価なのは明らか、0.7秒くらいは低く見た方がよさそう。
4.各馬の分析
1着 1番 ヴェンジェンス 牡 6 幸英明 56 1.49.1 36.5
好スタートだったが、しっかり手綱を抑えて、後方から4番手を追走し、向こう正面ではあえてやや外目を走る3角から進出を開始し、大外をジワジワ伸びて直線の入り口では大外から先頭に立つ勢いで伸びて、先頭に立つとそのまま勢い衰えず1着となった。
1400mくらいの距離の先行馬のイメージがある馬であったが、前走で1800mで好走し、1800mでも問題ないことを示していた。砂を被るとよくない馬なので、本来は内枠がよくないのだが、ハイペースに乗じていいポジションで走ることが出来た。ペースに左右されず自身の力を発揮出来るのがこの馬の強みのようだ。ただ、どうしても外を回るレースになるので、今回は3,4角でさほどペースアップしかないレースだったために外からの追い上げがハマった面はある。
2着 3番 キングズガード 牡 8 秋山真一 56 1.49.2 36.3
後方3番手を追走。進出はヴェンジェンスよりも遅かったが4角で外に持ち出し、最後までジワジワ伸び続け3着になった。
不人気馬ながら、近走はほとんどのレースで後方からながら上がり3ハロンタイム最速か2番目で走っていたので、ハイペースを読むのであれば警戒すべき馬だということのようだ。
3着 14番 ウェスタールンド セ 7 スミヨン 56 1.49.2 37.1
中段のやや外目を回る。4角ではそう外を回らないコーナーワークで進出し、直線で2番手に押し上げるも最後は少し甘くなり3着になった。
後方からインをつくイメージの馬であったが、この馬としては早めのレースになりそのため最後は甘くなってしまったようだ。騎手のコメントによると道中かかり気味だったとのこと。かかり気味になったのはレースが久々だったためな可能性が高いので、上手く制御がきけば、さらにやれそうなので、チャンピオンズCでは相手候補として有力な1頭になりそうだ。
4着 4番 アングライフェン 牡 7 北村友一 56 1.50.1 38.0
出鞭を入れて前に出そうとするも他馬が速く中段のインを追走する。3,4角を最内でロスなく回るも4角では前が開かず追い出しを待たされたが、その分直線ではしっかり伸びて4着となった。
オープン特別では強く重賞では足りないイメージの馬であるが、その通りのパフォーマンスだった。前走重賞2着はレベルが低かったことによるもの。最後の直線では追い出すスペースがあるのに少し馬がフラフラしていたので、狭いところを突くのはあまり得意ではないのかもしれない。
5着 8番 ワイドファラオ 牡 3 M.デム 56 1.50.3 38.5
スタート後積極的に前に出ようとするが、一旦5番手に控える。4角で進出しようとした際に外から進出するウェスタールンドによってやや内に振られて体制が一瞬崩れる不利があったが、その後直線に入ってもさほど伸びず5着だった。
騎手のコメントでは不利がすべてというが、4角の勢いがウェスタールンドと比べてあまりなかったことにより受けた不利であり、直線に入ってもまるでいいところなかったので、これがこの馬の実力と考えてよいと思う。
6着 9番 アナザートゥルース セ 5 大野拓弥 57 1.50.6 38.8
6番手でインを追走し、3,4角もインを距離ロスなく回るも、直線はまるで伸びなかった。
この馬の戦績を見ると、途中でペースが緩むレースにならないと脚がためられないタイプなのかもしれない。
7着 12番 ロードアルペジオ 牡 6 坂井瑠星 56 1.51.2 37.8
道中ペースについていけず、最後方まで下がるが、最後の直線では大外から少し伸びた。
最後伸びだといっても、追走力がないので全く評価できない。
8着 7番 メイショウスミトモ 牡 8 古川吉洋 57 1.51.2 38.7
中段のやや後方のインを追走し、インをロスなく立ち回ってなだれ込んでの7着なので全く評価できない。
9着 5番 スマハマ 牡 4 藤岡佑介 56 1.51.5 40.0
スタート後の直線ではリアンヴェリテの方が先行していたが、内にいたので1角のコーナーワークで先頭に立ち、その後激しい先行争いになるも前を譲らず、直線入り口まで先頭をキープしたが、最後はバテた。
ハナにこだわらなくてもよい馬なのだが、リアンヴェリテより内にいたため、主張せざるを得ない状態になったようだ。リアンヴェリテより外の枠順であれば、2番手で落ち着いて追走できて結果は違っていたかも知れない。
10着 2番 アドマイヤビクター 牡 4 和田竜二 56 1.51.7 39.6
4番手追走。向こう正面で外に出し、3角で早めにスパートしようとするも、まるで伸びなかった。
内枠でも勝負所で外に出していたことから揉まれるとよくないタイプのようだ。前半の追走で脚を削がれてしまった感じなので、重賞では荷が重そう。ペースが緩くなればオープン特別でやれそうではあるが、外枠の方がよいようだ。
11着 6番 ラビットラン 牝 5 酒井学 54 1.51.9 39.6
先行出来ず、最後も伸びずで、ここでは明らかに能力が劣った。
12着 11番 テーオーエナジー 牡 4 藤岡康太 57 1.52.0 39.4
先行出来ず、最後も伸びずで、ここでは明らかに能力が劣った。
13着 10番 リアンヴェリテ 牡 5 岩田康誠 56 1.52.4 40.8
スマハマ、インティと激しい先行争いをしたが最後はバテた。
逃げるしか戦法のない馬であり、この馬が出たらハイペースになる可能性が高いので、展開を予想する上ではありがたい馬。早めにバテたのは馬がやめてしまったこともあるようだ。行ききればしぶとさのある馬なので、先行争いでスマハマが控えたら結果は違っていたかもしれない。
14着 13番 ノーヴァレンダ 牡 3 松山弘平 54 1.52.8 40.4
6番手で追走していたが、勝負所以降まるでいいところがなかった。
15着 16番 インティ 牡 5 川田将雅 59 1.52.8 40.9
外から序盤はムキになって先行争いに加わるも、ペースが速すぎるので騎手が落ち着かせようとして向こう正面で一旦さげる。勝負所で騎手が激しく手を動かすも反応鈍く、4角の終わりで内から進出してきたウェスタールンドにぶつけられると怯んで急ブレーキをかけて最後方まで下がってしまった。
並びかけるとどうしてもハミを噛んでしまいムキになるところがあるようで、前半でまるで制御できなかったことが敗因であったが、さらに気が弱い弱点も露呈してしまった。
厳しいレースの経験が少ない馬はこうした脆い面がある可能性があることを考慮すべきとの教訓を得た。
ここまで大敗すると立て直しは難しそうで、前半の制御の面で改善が見られるまでは、狙いを下げた方がよさそう。
競争中止 メイショウウタゲ 牡 8 国分恭介 56
後方追走から4角でインティが下がっていったあおりを喰らって落馬した。
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