上位2頭だけ強く、それ以外は大したことないことを示す結果となり、単勝万馬券の馬が3着に入っていることもそのことを示している。ハイペース戦になったことも、各馬の能力を知る上でとても参考になった。
1.レース結果の基礎データ
2019年12月15日(日) 5回阪神6日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第71回朝日杯フューチュリティS
2歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m・外 16頭立
馬場差 -1.0 完全タイム差 -0.3
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.2-10.5-11.1-11.6-11.8-11.8-11.6-12.4
通過:33.8-45.4-57.2-69.0 上り:70.3-59.2-47.6-35.8
かなりのハイペースで坂のあるL1Fで極端に減速している。そのため、後方で脚を貯めていた馬には極めて有利な展開となった。
2.隊列分析
ハイペース戦になったが、あまり縦長の隊列にはなっていない。勝負所までは多くの馬がついて行けていたということで、全体的にレベル差の少ないメンバーの勝負だったということが言えそう。
3.完全タイム差検証
今回は検証保留とする。
2歳戦は成長力を重視する必要があることから古馬のレースとは少し違った検証が必要と考えていて、まだ新馬戦、2歳重賞の検証がしっかり確立出来ていない状況なので、このあたりを年末年始に整理して、改めて完全タイム差の検証をしたいと考えている。
ただ、このレースの前の元町Sとは同タイムであり、2歳年末時点でレベルの低い3勝クラスと同等のレベルであったということは今後の参考になりそう。
4.各馬の分析
1着 6番 サリオス 牡 2 ムーア 55 1.33.0 35.4
好スタートから4番手のポジションにつけ、4角ではやや外に膨れ気味になるものの、直線でしっかり伸びて、2着に0.4秒差をつけ1着となった。
ここ2戦スローの瞬発力勝負で勝っていたが、ハイペースの持久力戦にも対応できることを示した。しかも、ハイペースでも好位につけて早めに抜け出す競馬ができるので今後も安定度は高そう。コーナーでやや膨れたのは幼い面を見せたとのことなので、今後さらに強くなる可能性は高い。
2着 8番 タイセイビジョン 牡 2 武豊 55 1.33.4 35.3
後方から4番手を追走し、L3Fの4角からしっかり加速し、直線では外からジワジワ伸びて2着となった。
こちらは速いペースを経験していて、重賞勝ち経験があったので、馬券候補としてピックアップするのは容易な馬であった。武騎手らしく、ハイペースを無理に追いかけることなく後方で控えるポジショニングもよかった。この馬も強いが、現時点ではサリオスより少し劣ることをはっきり示した。
3着 9番 グランレイ 牡 2 池添謙一 55 1.33.6 34.9
後方から2番手を追走。インを追走していたが、直線に入って外に出すと鋭く伸びてきてゴールぎりぎりで3着に浮上した。
前半の追走ではスピードが明らかに劣っていたが、その分ラストが他馬がバテるのに乗じて差すことができたので、展開に恵まれての3着なのは明らか。鋭い差し脚に見えても、ラスト11.6-12.4なので速くない。なのでスローの瞬発力勝負、平均ペースで追走に苦労するレースでは出番はなさそう。また、未勝利勝ちからの3着だったので、上位2頭以外はあまりレベルが高くなかったと言えそう。
4着 14番 タガノビューティー 牡 2 和田竜二 55 1.33.6 35.2
後方から3番手を追走。勝負所ではタイセイビジョンの少し外の後ろから、同じように伸びていたが、ぎりぎりでグランレイに差された。
タイセイビジョンより能力が少し劣ることを示した。勝負所の仕掛けも、騎手の手が大きく動いていて、タイセイビジョンは楽に進出できてきるのに、この馬はかなり苦労した様子だった。ダートしか走っていない中芝でも適正があることを示したが、展開に恵まれての4着で速い脚はなさそうなので、これ以上の活躍は厳しそう。
5着 13番 プリンスリターン 牡 2 原田和真 55 1.33.8 35.7
後方でタイセイビジョンの少し前を追走するも、4角の加速は大したことなく、直線でもやや後方の外を走っていたが、最後はグランレイと併せ馬の形となり、少し伸びた。
最後ひと伸びできる持久力はありそうだが、コーナーでもたつく面があるので、今後も上位進出は厳しそう。
6着 1番 ジュンライトボルト 牡 2 岩田康誠 55 1.33.9 35.6
インのやや後方を追走。最内から最後までジワジワ伸びてはいた。
持久力はあることを示したが、インを距離ロスなく走れてこの成績なので、ここでは能力が劣った。
7着 2番 ビアンフェ 牡 2 藤岡佑介 55 1.33.9 36.7
ハイペースで逃げた割には最後までよく粘っていた。距離、コース、展開によっては今後も活躍できそう。
8着 16番 ラウダシオン 牡 2 ルメール 55 1.34.0 36.1
中段追走し、直線では最後まで伸びてはいるものの、上位馬より劣った。
馬郡の真ん中を追走し直線では前が狭くなっていはいたが、能力があれば抜け出すのは可能は状態だったので、不利を受けたとはいえない。
9着 7番 ウイングレイテスト 牡 2 松岡正海 55 1.34.3 36.5
5,6番手追走するも、最後の伸び脚は大したことなかった。
10着 12番 レッドベルジュール 牡 2 スミヨン 55 1.34.3 36.0
後方追走、直線でも大して伸びず。速いペースには対応できないことを示した。
11着 4番 トリプルエース 牡 2 ビュイッ 55 1.34.4 36.9
3番手で先行し、残り200mまでは良く粘れていた。
よい先行力はあるので、もう少し短い距離ならばいいのかもしれない。
12着 11番 カリニート 牡 2 幸英明 55 1.34.9 35.8
最後方追走から、特に見所なし。
13着 5番 マイネルグリット 牡 2 国分優作 55 1.35.8 37.7
中段追走するも特に見所なし。
14着 10番 エグレムニ 牡 2 福永祐一 55 1.35.8 38.1
5番手追走するも、直線入り口ですでに馬郡に沈んだ。
15着 15番 メイショウチタン 牡 2 松山弘平 55 1.36.5 39.1
2番手追走するも直線でずるずる後退。
16着 3番 ペールエール 牡 2 マーフィ 55 1.37.0 39.0
騎手のコメントによると「枠も良くてゲートをスムーズに出ていい位置を取れました。ただ、向正面からコーナーの入りで止まるような格好に。どうしてあのようになったのか、よく分かりません。」とのこと。ハイペースの追走にまるで対応できないのかもしれない。
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