プリモシーンが勝ち、クリノガウディが相手になることまでは予想できたものの、シャドウディーヴァをピックアップできず、悔しい結果となってしまった。前走3勝クラスを平凡なタイムでの辛勝だったのがピックアップ出来なかった大きな要因なのだが、上がり馬の伸びしろの評価が大きな課題であることを改めて認識させられた。特に下のクラスで辛勝した馬の評価は難しい。
1.レース結果の基礎データ
2020年 2月 9日(日) 1回東京4日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第70回東京新聞杯
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1600m 16頭立
馬場差 -1.2 完全タイム差 +1.2
タイムランク E メンバーランク C
LAP :12.4-10.9-11.4-11.6-11.8-11.5-11.6-11.8
通過:34.7-46.3-58.1-69.6 上り:69.7-58.3-46.7-34.9
平均ペースのようなラップになっているが、逃げた馬だけが速く、2番手以降はややスローのバランスだった。
2.完全タイム差検証
少し低く見すぎで、0.2秒くらいは上に見た方がよい。2番手以降がスローバランスだったので時計が出にくかった面から低い評価になったと思われる。ただし、戦績から古馬G1ではやや足りないメンバーであったことは確か。
3.各馬の分析
1着 1番 プリモシーン 牝 5 M.デム 56 1.33.0 33.6
まずまずのスタートから、インの5,6番手の位置につける。直線ではやや外の位置に出して、そこからジワジワ伸び続け1着になった。
確実に切れる脚を使ってくる馬ながら、馬郡をさばくのが苦手でエンジンのかかりの遅い馬ではあるものの、2番手以降の馬がスローペースだったことに乗じて前目のポジションにつけたことで勝負所で馬郡をさばくことなく直線を迎えることができて、直線入り口では前を捕らえるのが可能な位置まで進出できたことが大きい。今回はポジショニングが抜群に決まり、こうなると直線入り口では安心して見ることができた。
前々走のアイルランドTでこの馬らしい末脚が見られなかったので心配したが、前走のマイルCSではレース回顧でも書いた通り復調の兆しが見られたので不調は一時的なものだったようだ。ただ、今回は上がり3ハロンタイムの速さの順位が5番目なので前目につけるとやや末脚の切れが鈍る傾向はありそうだ。しかしながら、今回は前が止まらない馬場で前目の位置につけないとどうしようもない馬場状態だったので、これで正解であった。
デムーロ騎手は前日かなり好騎乗を見せていてかなり本来の調子を取り戻しているようだったので、今回デムーロ騎手への乗り替わりでいいポジションでの競馬をしてくれるのではないかとの期待もあった。
2着 12番 シャドウディーヴァ 牝 4 岩田康誠 54 1.33.1 33.3
スタートままずまずだったが、二の足が速くなく後方から5番手のインを追走。直線ではインからジワジワ伸び続けゴール前でかなり伸びて2着に浮上した。
かつては追走力が足りない馬であったが、騎手のコメントによると、前よりトモが入ってくるようになり、ポジションを取れるようになっているとのことなのでこの時期に成長しているのは間違いない。いい脚が長く使える強みがあり、後方から馬券圏内に入れたのはこの馬だけというからも能力は高い。前走は中山コースで4角からしっかり末脚を発揮しているのでいい脚が長く使える特徴は小回りコースでも発揮することは可能なので、今後好走するレースの幅は広そうだ。
前走は真完全タイム差が平凡な値で、勝ち方も辛勝だったので軽視してしまったが、前走はスローペース戦であったので、いい脚が長く使える特徴をしっかり見極めるべきだった。
3着 13番 クリノガウディー 牡 4 横山典弘 56 1.33.1 33.9
好スタートから早めにインの位置に潜り込み、4番手を追走し、インを距離ロスなく走り残り200mの位置では一瞬先頭に立ちかけたが上位2頭には外から交わされ惜しい3着だった。
馬場状態を考えると最高の乗り方をしているが、本来は末脚勝負に徹した良い馬であるが、高速馬場では切れ味が足りず、富士ステークスの4着が本来のこの馬の走りとなる。やや渋る馬場で差しが届く馬場のときがこの馬の絶好の狙い目になるが、今回のようにメンバーさえ手頃になれば本来の走りでなくても好走出来る馬なので、メンバー次第では常に警戒が必要な馬になる。
4着 5番 サトノアーサー 牡 6 田辺裕信 56 1.33.2 34.0
5番手を追走し直線ではジワジワ伸びたが、伸び脚が足りず4着だった。
ポジショニングはよかったが、大トビの馬なので切れ味勝負となるとやや劣るところを見せた。戦績を見ても上がり33秒台を出すことが少ない馬なので、もう少し流れる展開の方がよい馬なのだろう。こうしたところが、いつも堅実に走るがなんかイマイチな印象を受ける点だと思う。
5着 4番 クルーガー 牡 8 フォーリ 57 1.33.2 34.3
2番手追走から最後までしっかり粘って5着を確保した。
前が止まらない馬場に恵まれての5着ということはあるが、長い直線でも最後まで粘る力はあるので、上がりのかかる競馬になれば先行力を活かして前残りが叶う場面もありそうだ。
6着 2番 ヴァンドギャルド 牡 4 福永祐一 56 1.33.2 33.6
出遅れたが追走は速く内から8番手のポジションまで押し上げる。直線でもジワジワ伸び続けゴール前の脚色は目立った。
出遅れがなければ、3着以内はあったかもと思える走りだった。今回は両脇が牝馬だったのでソワソワしてしまったようで確かにゲート内では変な動きをしていた。スタートがしっかり矯正されれば、前目のポジションにつけることができて最後末脚を使える馬なので重賞で活躍出来る可能性はありそう。
7着 8番 スウィングビート 牡 5 大野拓弥 56 1.33.4 33.8
中段のヴァンドギャルドと同じような位置のやや外を追走。直線に入って少しもたつくも最後まで伸びてはいた。
ギアチェンジがあまり速くなく、トップスピードに乗るまで時間のかかる馬のようだ。好走できる機会は少なそう。
8着 6番 レイエンダ 牡 5 丸山元気 57 1.33.5 34.6
3番手追走。直線で一旦先頭に立つもいい脚は最後まで続かなかった。
やはりこの馬は後方で脚を貯めないと末脚を使えない。この週の前有利の馬場では、この馬の出番はなかったということだろう。
9着 9番 レッドヴェイロン 牡 5 ルメール 56 1.33.5 33.5
スタートまずまずながら二の足が速くなく後方から6番手の位置まで下がってしまう。4角の手ごたえもあまりよくなく、直線では少しだけ伸びた。
このレベルのレースになると追走力に問題があることを示してしまった。末脚も大したことない。前走2着のキャピタルステークスのレースレベルを考えると今回の走りは実力通りと評価してよさそう。重賞では好走できるレースの幅は狭い。
10着 10番 ロワアブソリュー 牡 7 吉田豊 56 1.33.5 33.3
後方から、最後は伸びていたが追走力がなさすぎる。
11着 15番 ケイアイノーテック 牡 5 津村明秀 58 1.33.6 33.2
後方から、上がり3ハロンタイムは最速で差してはきていたが、追走力がなさすぎる。ずっと重賞を使って凡走しているので、さらにメンバーが弱くなれば好走することはありそう。
12着 7番 ケイデンスコール 牡 4 石橋脩 56 1.33.6 34.2
中段追走するも直線ではさほど伸びず。古馬重賞では力不足なのは明らか。
13着 16番 ドーヴァー 牡 7 北村宏司 57 1.34.0 33.6
最後方追走から直線でもさほど伸びず。
差し馬ながら瞬発力は足りない。騎手のコメントによると後方からの競馬とのオーダーだったようで、ハイペースで上がりがかかる競馬になった場合の一発狙いと最初から決め打っていたのかもしれない。
14着 14番 ゴールドサーベラス 牡 8 内田博幸 56 1.34.2 34.0
後方のまま見せ場なし。
15着 11番 キャンベルジュニア 牡 8 ミナリク 56 1.34.4 34.7
中段追走するもまるで伸びず。もう末脚は発揮できなさそう。
16着 3番 モルフェオルフェ 牝 5 江田照男 54 1.35.5 37.4
やや速いペースで逃げてバテた。貯め逃げしても長い直線で瞬発力のある馬にはかなわないので、初めから勝負にはならない馬だった。
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