特殊な距離設定の重賞のため、最近は頭数が少なかったり格下馬ばかりだったりのレースが多かったが、今年は適格の馬が揃ったレースになったのだが、1着馬を当てるのが難しい、かなり難解なレースになった。それでも2,3着は4歳馬でやはり若い馬重視の馬券作戦が吉と出るレースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 2月22日(土) 1回東京7日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第70回ダイヤモンドS
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 3400m 16頭立
馬場差 ±0 完全タイム差 +1.1
タイムランク E メンバーランク D
LAP :13.2-12.0-12.1-12.6-12.7-12.5-12.5-12.4-12.3-11.7-12.1-12.3-12.2-12.5-12.4-12.7-13.0
通過:37.3-49.9-62.6-75.1 上り:75.1-62.8-50.6-38.1
ここまで長いと速いんだか遅いんだかよくわからないラップではあるが、ラストは減速ラップで東京芝なのにL1Fで13秒を要しているのでかなりスタミナのいる持続力勝負になった。全体的には平均ペースながら残り1600m地点が最速ラップになるのも特殊な展開だった。これは逃げ馬をバレリオをつついたためにペースアップしたのだが、この地点でかなり縦長の展開になった。そして4角では急に馬郡が詰まりそこから最後までが長く持続力を要するスタミナ勝負になった。4角で距離ロスなく運べた馬はかなり有利だったはずだ。
2.完全タイム差検証
妥当な完全タイム差だと思われる。
3.各馬の分析
1着 16番 ミライヘノツバサ 牡 7 木幡巧也 54 3.31.2 37.4
中段を追走。4角で比較的内のポジションで回れたので直線入り口では前を差し切り可能な位置まで押し上げる。末脚は速くは見えないものの、前の馬がどんどんバテていき先頭に立つ。残り200mの脚色は後方から迫るメイショウテンゲンの方が上だったが、ゴール直前でメイショウテンゲンもバテてギリギリ1着を確保した。
4角のコーナリングで距離ロスなく走れたことと、今回の展開では一番持続力があったことによる勝利だった。持続力が活きたので54キロの斤量も良かったはず。
速い脚はないが持続力に優れた馬ということはわかったものの、ここまで好走条件の揃うレースは今後あまりなさそうで、千載一遇のチャンスを掴んた勝利だった。
2着 14番 メイショウテンゲン 牡 4 池添謙一 55 3.31.2 37.2
かなり後方追走から、4角で外を回って加速して直線でジワジワ伸び続け1着馬とはほぼ差のない惜しい2着だった。
前半の追走力はあまりないものの、勝負所から長くいい脚を使うことができる。ただ、今回は4角でのあまりペースアップしなかったので、L3Fで早めに加速するレースになると後ろに置かれる可能性がある。今回は平均ペースのバテ比べになったことがこの馬にとってよかったようだ。流れる展開での長距離適正を示した。前走と今回のレースを見ていると菊花賞では位置を取らず後方からの末脚勝負に徹していたら上位に入れたのではないかとも思ってしまう。長距離のレースでは今後も面白い存在になった。
3着 1番 オセアグレイト 牡 4 野中悠太 54 3.32.0 38.7
1番枠であったことから3番手あたりのポジションで終始最内を回る。直線に入ってすぐ先頭に立つも上位2頭にはあっさり差されたが他の馬は直線でバテ気味だったので3番手を死守。最後はレノヴァールに差されそうになったが、なんとか3着に残った。
1番枠であることを最大限に活かした。最後まで粘る根性はあるが、今回はインを距離ロスなく走ったことが大きい。
4着 6番 レノヴァール 牡 5 横山典弘 54 3.32.0 38.5
中段追走から、4角では早めに外からポジションを上げて前を射程圏内にいれる。速い脚はないものの、最後までジワジワ伸び続け最後はオセアグレイトにギリギリまで迫る惜しい4着だった。
京都大賞典では先行して大敗したが、中段に構えて4角で早めに押し上げて持続力勝負に持ち込む競馬が合っているようだ。持続力を活かしたから54キロのハンデも効果があったはず。どこかでチャンスはあるかもしれない。
5着 11番 タイセイトレイル 牡 5 中谷雄太 55 3.32.5 38.8
後方追走から、4角での加速はよかったものの、直線の走りは大したことなかったが、他馬に比べると最後まで伸びてはいた。
4角での加速が速く見えたのは、4角のペースアップが早くなかったから。前半の追走力がいまひとつなのは相変わらず。重賞で3着以内に入るにはかなり恵まれないと難しそう。
6着 9番 ステイブラビッシモ 牡 7 江田照男 52 3.33.1 39.4
後方追走から4角で加速するも直線の脚は大したことなかった。
後方待機の馬の多くが4角でしっかり加速できていることから、4角のスピードアップが大したことないレースであったのは明らか。後方待機の馬が上位に入りやすい展開になったということが言えそう。
7着 7番 タガノディアマンテ 牡 4 川田将雅 55 3.33.3 39.2
最後方追走だが、全っく他馬についていけないように見えた。前半の追走力がかなり劣るのは間違いないようだった。加えて騎手のレース後のコメントで「左回りでは過去にも調教再審査になっていますからね。右への逃避が凄くて競馬になりませんでした。」とあるように特に向こう正面や最後の直線では大きく外に逃避する傾向が見られた。左回りのレースでは絶望的ということのようだ。この馬がアテにできないタイプということはしっかり覚えておきたい。
8着 10番 サトノティターン 牡 7 石橋脩 57 3.33.5 39.4
やや後方のインぴったりを追走。インを走った割には4角の加速はよくなかった。直線でもあまり伸びずいいところはなかった。
鞭には反抗しなくなったが、ここでは全く通用せず。ダートG3戦レベルまでの馬との評価でよさそう。
9着 13番 ヴァントシルム 牡 6 M.デム 55 3.33.7 40.2
6番手追走から4角と直線入り口までの走りはよかったものの、直線ですぐバテた。持続力はあまりない。
10着 2番 ウインテンダネス 牡 7 内田博幸 56 3.34.0 40.0
特に見所無し。
11着 3番 ポポカテペトル 牡 6 北村宏司 55 3.34.2 40.7
インぴったりの中段を追走し4角では少し伸びたものの直線ですぐバテた。
12着 4番 ロサグラウカ 牝 5 丸山元気 52 3.34.3 41.2
逃げたがバテた。残り1600mのところで、バレリオにつつかれたことが大きいはずなので、どこかであっさり逃げ切ることはあるかもしれない。
13着 5番 リッジマン 牡 7 フォーリ 57 3.35.1 41.2
特に見所無し。
14着 8番 アドマイヤジャスタ 牡 4 田辺裕信 54 3.35.4 41.8
4番手追走するも大きくバテた。3歳4月以降まるでいいところがないので、成長力がなかったとみてもよさそう。
15着 12番 ダノンキングダム 牡 6 津村明秀 54 3.35.9 42.0
先行するが大きくバテる。オープンで通用する末脚はない。
16着 15番 バレリオ 牡 5 ミナリク 54 3.37.5 43.8
最初はやや後ろを走っていたものの、最初のスタンド前で加速してしまったので、馬が最後の直線と間違えた可能性は高い。その後加速を続けて、残り1600mの地点では逃げ馬をつついてペースアップを促してしまったので、この時点でスタミナをかなり消耗してしまったのは明らか。オープン昇級初戦でチグハグなレースをしたので、次走一変の可能性はある。
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