外差しが決まった昨年とは異なり、インを突かないと勝てないレースになり、それ故に降着が出るほどのインのポジション争いが激しいレースとなった。さらに先行馬総崩れの展開にもなった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 3月 1日(日) 1回阪神2日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第64回阪急杯
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) 芝 1400m・内 18頭立
馬場差 -0.7 完全タイム差 +0.5
タイムランク D メンバーランク C
LAP :12.1-10.7-11.3-11.4-11.3-11.6-11.9
通過:34.1-45.5-56.8-68.4 上り:68.2-57.5-46.2-34.8
2ハロン目が速く、その後もやや速いペースが続き最後減速していく、持続力勝負の展開になった。そのため、後方に待機した馬が有利な展開となった。
2.完全タイム差検証
緩急少なく一本調子なので時計が出やすかったためか、やや過大評価になっている。0.4秒ほど低く見るべきだろう。
3.各馬の分析
1着 14番 ベストアクター セ 6 浜中俊 56 1.20.3 34.0
中段のやや後方でインから少し外を追走。4角では外を回りすぎないようにうまく回り、直線では前が詰まることなくスムーズに外に持ち出し、L1Fで鋭く伸び1着になった。
L1Fまで減速するラップの中、一番決め手のある末脚を示し、短距離での持続力勝負に向いていることを示した。外を回りすぎずに走れたポジショニングもよかった。前が詰まらなかったことで恵まれた面はあった。
3着(2着から降着) 3 ダイアトニック 牡 5 北村友一 57 1.20.3 34.5
スタートは速く一旦先頭に立ちそうな勢いだったが、他が速いので少し抑え、インのポジションを確保して、先頭から1~2馬身差くらいの位置で追走する。直線に入って外へ持ち出そうとするも、インが開いたところで目ざとくインに向きなおし一旦そこから抜け出して先頭に立ったが、ゴール直前でベストアクターに差されて2着となり、直線でインを突いたときにフィアーノロマーノの進路を妨害して3着降着となった。
先行力があり、勝負所での反応の良さ、インを突ける立ち回りの上手さがあったが、前目で競馬した分最後の最後で甘くなってしまった。自在性があるので、好走できるレースの幅は広そう。
2着(3着から繰上) 6 $フィアーノロマーノ 牡 6 川田将雅 56 1.20.4 34.4
スタートで押して先行勢についていこうとするが、さほど速くなかった。それでも早々と最内のポジションを確保して、先頭から1~2馬身差くらいのダイアトニックからさらに1~2馬身差くらいの位置で追走する。直線に入って、先頭と2番手の馬の間が空いていたのでそこを突こうとしたところ、外からダイアトニックに内に押し込められてしまい、そこから体制を立て直す不利を受けたが、しっかり伸びて3着に入線した。
1400m戦では前半のスピードは今一つながら、インを上手く走る立ち回りの上手さと、不利を受けても怯まない勝負根性を示した。こうしたところが堅実さに結びついているのであろう。
4着 18 スマートオーディン 牡 7 秋山真一 56 1.20.4 33.8
後方追走から、直線で大外に持ち出し、残り300mからは一番目立つ末脚を見せたが、4着まで。
追走力がなく、大外ぶん回ししか策がない馬ではあるが、阪神1400mは合っていることを示した。ただし、今回のようにインを立ち回れないと勝てない馬場では4着までが精いっぱいだった。外差しの決まる馬場であったら、勝っていた可能性もあった走りだった。
5着 7 ステルヴィオ 牡 5 丸山元気 57 1.20.5 34.2
スタートはよくなかったが、インのポジションをとり、フィアーノロマーノの3馬身後ろを追走。4角を距離ロスなくまわり直線ではフィアーノロマーノが壁になっていたので、外に持ち出そうとするも中々進路を見いだせず、最後は伸びてきたが5着までだった。
直線で馬郡を上手く捌けないチグハグな競馬になってしまった。ただ、1400mでの先行力が今一つだったので馬郡をさばけない状況になりやすかったということはある。スムーズに走れば3着以内に入れたのではないかと思わせるような実力は示した。
6着 10 ストーミーシー 牡 7 松若風馬 56 1.20.5 33.9
ステルヴィオのさらに後ろのインを追走。直線では外に持ち出すのにもたついたが、L1Fではしっかり伸びていた。
末脚は堅実ながら、追走力がなく、エンジンのかかりが遅いので、好走するにはかなり条件に恵まれる必要があるが、どこかでチャンスはまだありそうだ。
7着 5 クリノガウディー 牡 4 森裕太朗 56 1.20.7 35.1
スタートままずまずながら、内から3頭分外のポジションで前を狙い4角で内の2番手に競りかけ進出しようとして、残り200mまでは良く粘っていたが最後は力尽きた。
早め進出の競馬をしていたが、今回のペースでは先行勢はみな潰れていたので、脚を使い所を間違えた。悲観する内容ではなく、鞍上の弱化がそのまま着順に現れた感じ。鞍上強化されればまた十分狙える実力はある。
8着 12 レインボーフラッグ 牡 7 松山弘平 56 1.20.8 33.9
ほぼ最後方のイン追走から、最後はインを突いて伸びてきた。
追走力がない中、インをロスなく走れてこの着順なので全く評価できない。
9着 17 ラヴィングアンサー 牡 6 和田竜二 56 1.21.1 34.5
後方追走で直線でちょっと伸びた程度。
10着 9 ディープダイバー 牡 4 酒井学 56 1.21.3 35.4
中段のやや前を追走していたが、直線ではまるで伸びず。
11着 13 ハッピーアワー 牡 4 吉田隼人 56 1.21.3 34.5
後方追走で最後は外から伸びてはいたが、大した脚ではなかった。
12着 4 マイスタイル 牡 6 田中勝春 56 1.21.3 35.7
2番手で先行するも最後はバテた。
前残りが厳しい馬場、展開であったことは確か。
13着 2 ライラックカラー 牡 5 木幡育也 56 1.21.4 34.6
後方追走からさほど伸びず。
14着 1 ジョイフル 牡 6 川又賢治 56 1.21.7 35.3
中段追走から外から伸びるが、大した伸びではなかった。
15着 15 ニシノラッシュ 牡 8 松田大作 56 1.21.7 36.2
先行してバテる。末脚はまるでない。
16着 16 アンヴァル 牝 5 藤岡佑介 54 1.21.7 35.5
中段外追走からまるで伸びなかった。
17着 11 ロジクライ 牡 7 岩田康誠 56 1.21.8 35.8
まるでいいところなし。
18着 8 サフランハート 牡 7 幸英明 56 1.23.8 38.0
先行して直線でズルズル後退。まるで勝負にならない。
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