小頭数戦ながらG2戦らしいメンバーが揃い、各馬それぞれの持ち味を発揮して、今後に向けて参考になる情報が多いレースだったと思う。
1.レース結果の基礎データ
2020年 3月 1日(日) 2回中山2日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第94回中山記念
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1800m 9頭立
馬場差 -1.2 完全タイム差 +0.7
タイムランク D メンバーランク B
LAP :12.4-11.8-11.8-11.8-11.5-11.7-11.9-11.3-12.1
通過:36.0-47.8-59.3-71.0 上り:70.3-58.5-47.0-35.3
やや速いペースに見えるものの、これはマルターズアポジーのもので、もうマルターズアポジーは潰れるのがわかっていることから追いかける馬はいない状態で、特に3番手以降はかなり離れて追走していたのでスローペースのバランス追走していた。さらに小回りらしくL3Fから早めのペースアップが始まっていて、L3Fでは11秒台前半の脚を後続の馬は使い、L1Fで大きく減速する持続力勝負となった。
2.完全タイム差検証
前走のデータがない馬が多いのだが、久々に大敗しなかったマルターズアポジーを除いた3頭は前走と大差ないので、妥当な完全タイム差だと思う。
3.各馬の分析
1着 3番 ダノンキングリー 牡 4 横山典弘 56 1.46.3 34.2
まずまずのスタートからうまく最内の3番手のポジションを取る。前2頭がやや速くなっても落ち着いて離れた3番手をキープする。L6Fを過ぎたあたりからじわじわ前2頭に迫り、直線に入って交わすとそのまま危なげなく1着になった。
じわじわと長く末脚を使うレースがこの馬には合っているのと、今回は絶妙なポジショニングによる勝利。堅実な馬ではあるがいつもこう上手くいくとは限らないのが難しいところ。
2着 7番 ラッキーライラック 牝 5 M.デム 55 1.46.6 34.2
ダノンキングリーの少し外の後ろの位置を追走。4角で鞭が入るものの、ダノンキングリーと脚色が変わらないのでまるで差が詰まらないのだが、直線に入ってインディチャンプと併せ馬のようになり、インディチャンプを競り落とし、前にいたソウルスターリングをゴール前ギリギリで交わして2着になった。
4角でかなりモタついているように見えたのは各馬ここで同じようにスピードアップしていたからということだろう。先行して今一つ勝負根性に欠けるような走りが多かったので、今回インディチャンプを競り落とし最後まで伸びるような走りができたのは収穫だと思う。こういう走りができるのであれば、好走できるレースの幅が広がったはずで、今年は活躍が期待できるかもしれない。
3着 4番 ソウルスターリング 牝 6 北村宏司 54 1.46.6 35.2
他馬がマルターズアポジーの逃げを気にせず後方待機に徹する中、この馬だけマルターズアポジーから1~2馬身程度と、あまり離れない位置を追走し、残り400mの地点でマルターズアポジーを交わし、直線に入って早々とダノンキングリーに交わされたものの最後までしっかり粘って3着を確保した。
大逃げのように見えたマルターズアポジーの逃げでも、全盛期のようなスピードはないので、実はミドルペースであり積極的に追いかけたことで、典型的な前残りとなった。古馬になってから成績がイマイチで取消が続いていたが、今回は恵まれての3着であり、ここで復活したとは考えない方がよい。
4着 1番 インディチャンプ 牡 5 福永祐一 58 1.46.7 34.1
最内でダノンキングリーの少し後ろを追走。4角ではインで距離ロスなく走れることを活かして、余力を残して追い上げようとするも、ダノンキングリーとの差は詰まらず。直線に入って追い出すと反応がよく、一瞬前に進出するかに思えたもののいい脚は長くは続かず、ラッキーライラックに競り負けて4着となった。
スローペースでは持ち味が活きない。また、58キロもよくないようだ。あと、やはりいい脚は長くは続かないようだ。ただ、今回は前半のポジショニングが消極的すぎたので、今後に向けて余力を残した走りだったのかもしれない。戦績から休み明けは疑ってかかる方がよいのかもしれない。
5着 5番 ペルシアンナイト 牡 6 池添謙一 57 1.46.9 34.0
後方から2番手を追走するも、残り600mの手前で一気にスパートし、4角の終わりあたりではラッキーライラックを交わすような勢いがあったが、勢いはここまでで、5着に終わった。
各馬4角での追い上げに苦労していた中。この馬だけ4角での勢いが違い、目立った。このように一瞬だけ凄い脚が使えるので脚の使い所がハマれば好走できるのだが、今回はハマらなかった。
6着 6番 マルターズアポジー 牡 8 武士沢友 56 1.47.1 36.1
いつもの大逃げのように見せかけて、実はミドルペースで逃げていたので、近走ではもっとも粘れた結果となった。しかしながら、これがラストランとのこと。
7着 8番 ウインブライト 牡 6 ミナリク 58 1.47.2 34.5
インディチャンプの少し外の後ろを追走。4角では騎手の手が激しく動くものの前に進まず。直線でもさほど伸びなかった。
4角でまるで進まないように見えたのは昨年のオールカマーと一緒で、やはり4角で11秒台(後方追走していた馬にとっては11秒台前半のペース)になるレースではスピードが足りないと考えてよさそう。スローペースと高速馬場は苦手ということ。
8着 9番 ゴールドサーベラス 牡 8 横山和生 56 1.47.7 34.4
最後方追走からゴール直前でエンジニアを交わした。ここでは能力が劣っていたのは明らか。
9着 2番 エンジニア 牡 7 大野拓弥 56 1.47.8 34.9
ゴールドサーベラスとビリ争いをしただけで、ここでは能力が劣っていたのは明らか。
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