調整が今ひとつでも、このメンバーであればユーキャンスマイルが格上であり、勝つというところまでは予想できたものの、キセキがこのメンバーで3着以内を外すとは考えられず馬券を外してしまった。キセキが徐々にスタートが悪くなっていることは今までの戦績からわかってはいたものの、馬のメンタル面の問題を把握することの難しさを痛感させられるレースとなった。キセキの復活はもう無理かもしれない。
1.レース結果の基礎データ
2020年 3月22日(日) 1回阪神9日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第68回阪神大賞典
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 3000m・内 10頭立
馬場差 -1.4 完全タイム差 +0.1
タイムランク C メンバーランク C
LAP :13.2-12.2-12.3-12.2-12.7-12.4-12.2-12.4-11.6-11.7-11.9-11.9-11.8-12.0-12.5
通過:37.7-49.9-62.6-75.0 上り:71.8-60.1-48.2-36.3
前半、中盤緩みなく展開し、早めにスパートが始まり最後は減速する、スタミナ、持続力勝負の長距離戦となった。
2.完全タイム差検証
かなりの過大評価。1.3秒くらい低く見た方がよい。
3.各馬の分析
1着 10番 ユーキャンスマイル 牡 5 岩田康誠 56 3.03.0 35.8
まずまずのスタートから一旦後方に下げて、最初のコーナーを回り終わるころにはインぴったりの位置につけ、その後は距離ロスなく走る。残り800mあたりからスパートを開始し、直線に入るころには先頭のすぐ後ろの位置まで押し上げ、直線の途中で先頭に立つと危なげなく押し切る完勝だった。
調整が遅れていたため調教が今一つだったことから、予想家の評価は低かったが、完全な調子でなくても十分勝てるほどのメンバー構成であり、ここでは格が違った。右回りに不安があるという人もいたが、昨年夏以降大きく成長してから左回りコースしか走っていなかったので、僕は右回りの不安は解消済と思っていたが、その通り特にモタれることなくしっかり走れていた。
後方待機の馬なので、G1では昨年秋天のように取りこぼしの危険はあるが、元々長距離戦は得意なので、春天の最有力候補になった。
2着 4番 トーセンカンビーナ 牡 4 藤岡康太 55 3.03.3 35.8
スタートはやや出遅れる。終始後方を追走し、中盤で一旦最後方まで下げる。コーナーのペースアップではやや手ごたえ悪く、騎手が手を大きく動かし騎手が鞭を一発入れて、ユーキャンスマイルのさらに後方から、やや外を回るコーナリングで進出しようとするも中々順位が上がらず、最後まで追うことでようやく2着に浮上した。
かなりズブく見えたが、終わってみればユーキャンスマイルと同じ上がり3ハロンタイムで、ユーキャンスマイルより外を回ったことを考えると実質最速の上がり3ハロンタイムだった。ただし、ズブいので、前が止まらない展開になると取りこぼす危険は高い。
また、ゲートでの駐立がよくないので、出る時の体勢が悪くなり後方からになる可能性が高いことも考慮すべき事項である。ただし、まだ4歳なのでこの点が解消され、前半のポジショニングがよくなる可能性はある。そうなればさらにやれる可能性がある。
3着 6番 メイショウテンゲン 牡 4 松山弘平 55 3.03.4 36.0
中段を追走。コーナーではユーキャンスマイルよりも遅い追い上げて、後ろの内からトーセンカンビーナが迫ってきたところでスパートし外を回る距離ロスがあるももコーナーの加速はトーセンカンビーナよりよかったが、直線の伸びは大外からジワジワ伸びる感じで3着どまりとなった。
今回のメンバーでは実力上位だったため、持続力勝負でようやく3着に進出出来た感じだった。よりメンバーが強くなると3着以内に入るのは厳しそう。コーナーで外を回ったように器用さは今一つのようだ。
4着 3番 ムイトオブリガード 牡 6 藤岡佑介 57 3.03.4 36.3
4番手追走から、4角でじわっとやや外を回り進出し、直線に入って一旦先頭に立つかの勢いがあったが、内からあっさりユーキャンスマイルに交わされて、その後も伸びてはいるものの4着どまりだった。
先行力があり早めにスパートする能力もあるが、末脚が今一つなので持続力勝負になると今一つ実力が足らない。ただしG1でも、よくある前残りの穴候補として警戒は必要。
5着 2番 メロディーレーン 牝 4 岩田望来 53 3.03.4 36.2
中段のインを追走。4角の手ごたえはよくなかったが最後まで伸びてはいた。最後はキセキを交わしたくらいなので、自己条件に戻ればかなりやれそうではある。
6着 5番 タイセイトレイル 牡 5 福永祐一 56 3.03.5 36.8
2番手を追走。先頭のドレッドノータスに終始プレッシャーをかけ、4角で早めにドレッドノータスを競り落とし先頭に立ち、最後まで粘ってはいたものの末脚は見劣った。
悪くない走りではあったが、重賞では少し足りないということだろう。
7着 9番 キセキ 牡 6 川田将雅 57 3.03.6 36.7
ゲートが空いても前に出ず、走っても外に逃避しそうになるのを騎手がなんとかインに戻しなんとかレースに加わることができた。
その後最初のスタンド前直線で外から暴走気味に前に行きなんとか騎手が3番手でなだめる。それでも4角から直線入り口では一旦先頭に立ったものの、最後まで粘り切る脚は残っていなかった。
スタートを出ないで、1週目でゴールと間違えたりと、自身のやる気が明らかに下がっていて、これは立て直しがかなり難しそうだ。実力馬ではあるが、復調の兆しが見えるまでは軽視すべき。
8着 7番 ボスジラ 牡 4 武豊 55 3.03.6 36.5
4番手追走から、最後は伸びずバテずであまり見所はなかった。
9着 1番 レノヴァール 牡 5 幸英明 56 3.04.2 36.6
後方追走のまま見せ場なし。
10着 8番 ドレッドノータス セ 7 坂井瑠星 57 3.06.9 40.1
先頭に立つも、終始ドレッドノータスにプレッシャーをかけられる厳しい展開となり4角で早々と後退した。
重賞では実力不足ではあるが、それでも楽にインを先行出来た時には前残り候補として検討すべき馬ではある。
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