終わってみれば、4着以外は重賞好走馬の順番の着順となり、その重賞のレベル通りの着順になる実力通りの結果となった。そんな中、2歳冬のG1勝ち馬が、直行で実力が明らかに上な結果となったので、今年の1~3月の重賞で実力馬が現れなかったという寂しい結果となった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 4月19日(日) 3回中山8日 天候: 晴 馬場状態:稍重
11R 第80回皐月賞
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 2000m 18頭立
馬場差 +0.8 完全タイム差 -0.6
タイムランク B メンバーランク B
LAP :12.2-11.3-12.1-11.8-12.4-12.9-12.2-11.9-11.8-12.1
通過:35.6-47.4-59.8-72.7 上り:73.3-60.9-48.0-35.8
前半やや速いが、2番手以降は離されての追走なので、そう速いペースではない。その割には勝負所のペースアップはさほどでもなく、減速もさほどではない。全体としてはそうレベルの高くないメンバーだったのかもしれない。末脚の鋭いメンバーは少なかったということは確実に言える。
2.完全タイム差検証
上位2頭が強いのは明らかだが、過剰評価しすぎ。皐月賞は淀みのないペースになることが多いためか、例年過剰評価になりやすい傾向がある。0.8秒ほどは低く見た方がよい。それでも今年のレースとしては十分ハイレベルである。
3.各馬の分析
1着 1番 コントレイル 牡 3 福永祐一 57 2.00.7 34.9
まずまずのスタートからインの中段を走っているうちに外の馬が速く、中段のなかでも後方の位置を追走する。向こう正面で徐々に外へ持ち出していき、4角で大外を回って一気に加速し前へ進出し、直線に入ってさらに加速し最後まで粘っていたサリオスを差し切り1着となった。
ホープフルステークスと同様に4角での加速の速さを活かしての勝利だったが、今回はさらに後方の位置から外を回しての加速で、よりスケールアップしったかのような印象を受けた。
東京コースでの実績もあり、直線の長いコースでの加速も問題ないので、現時点ではこの馬のダービー制覇を脅かす馬はいない状況となった。
2着 7番 サリオス 牡 3 レーン 57 2.00.8 35.4
好スタートから5番手の位置を取り切り追走し、4角でも外を回らないようにしてじっくり回り、直線に入って加速すると一気に先頭に立ったが、最後はコントレイルに外から差された。
コントレイルがいなければ他馬に圧勝していたと見れる強い競馬を見せた。好位につけて早めに抜け出す競馬ができるので今後も安定度は高そうで活躍が期待できる。また、最後の直線で手前を変えていなかったのでさらに成長の余地はある。
3着 16番 ガロアクリーク 牡 3 ヒューイ 57 2.01.4 35.7
中段の後方で、コントレイルの少し外で同じような位置を追走する。向こう正面ではコントレイルの少し前を走っていたが、4角の加速はあまり速くなくコントレイルにあさっり先行されてしまう。それでも直線でジワジワ伸びて3着になった。
スプリングステークスでも4角の加速が大したことなかったので軽視してしまったが、それでも短い直線の末脚で3着まで浮上できたので、力をつけているようで、やはりホープフルステークスの時は未完成でこの時期に成長してきた馬ということのようだ。
ただし、上位2頭との力差は明らかではある。
4着 8番 ウインカーネリアン 牡 3 田辺裕信 57 2.01.6 36.5
最初の直線では一旦先頭に立つも、キメラヴェリテにあっさり前を譲り、少し離れた2番手を追走する。そのまま最後まで粘って4着に入った。離れた2番手であったことで無理のないペースで先行できたことが大きく、典型的な穴馬の前残りパターンであったが、3着以内にはさすがに粘れなかった。それでも4着に入れたのは、他馬に末脚の鋭い馬がいなかったということだと思う。
1勝クラスを勝ったばかりの馬であり、実力以上に恵まれた着順とみるべき。
5着 5番 サトノフラッグ 牡 3 ルメール 57 2.01.8 36.4
中段を追走し、向こう上面で徐々にポジションを上げていき、4角の加速はまずまずよくて、直線に入るころにはコントレイルの少し前の位置にいたが、直線の末脚は大したことなく5着になった。
上位馬と比べるとスケールの小ささを露呈した。今年の弥生賞のレベルはこの程度のものだったということだろう。
6着 13番 ダーリントンホール 牡 3 M.デム 57 2.01.8 35.9
スタート遅く後方から、4角の加速もよくなく、直線で外から追い上げての6着だった。
追走力、コーナーの加速がよくないので、明らかに小回りコースは向かない。
7着 3番 コルテジア 牡 3 松山弘平 57 2.01.9 36.1
やや後方のインを追走4角をインで距離ロスなく回ることでポジションを上げられたが直線の伸びは大したことなかった。
8着 17番 ヴェルトライゼンデ 牡 3 池添謙一 57 2.01.9 36.3
外枠から積極的に前に出していき、サリオスのすぐ後ろを追走するが、4角での加速、直線の末脚は大したことなく、サリオスより一段劣ることをはっきり示した。
9着 9番 ブラックホール 牡 3 石川裕紀 57 2.02.1 35.7
ほぼ最後方を追走から、直線では大外から伸びてきたがそもそも勝負圏外の位置なので勝負にならなかった。。
10着 6番 ディープボンド 牡 3 横山典弘 57 2.02.1 36.8
4番手追走からずっとインを回っての10着であまり見所はない。
11着 2番 レクセランス 牡 3 北村友一 57 2.02.1 36.1
後方追走から、4角の加速、直線の末脚ともに大したことなかった。オープン特別までデビュー3連勝の馬だったが、実力は大したことなかった。
12着 10番 アメリカンシード 牡 3 丸山元気 57 2.02.2 36.1
後方追走のまま見所無し。
13着 12番 マイラプソディ 牡 3 武豊 57 2.02.2 36.6
見所なく、共同通信杯で露呈したように、大した実力がないことを示した。
14着 18番 ビターエンダー 牡 3 津村明秀 57 2.02.4 37.2
3番手で外から先行し、着順の割には良く粘れているように見えるので、そもそもこの程度の実力なのだろう。
15着 15番 ラインベック 牡 3 岩田康誠 57 2.02.4 37.1
好位追走で大して伸びないので、やはりこの程度の実力ということだろう。
16着 11番 クリスタルブラック 牡 3 吉田豊 57 2.02.5 36.4
後方のまま見所無し。
17着 14番 キメラヴェリテ 牡 3 藤岡康太 57 2.02.6 37.7
速いペースで逃げれたが、3、4角で早めのペースアップで突き放すことができず、早めに後続につかまり後退した。
先手を取るまでに苦労したこともあり、逃げ馬としての実力は今一つということで、相当恵まれないと上位入線は難しそうだ。
18着 4番 テンピン 牡 3 中井裕二 57 2.03.3 37.6
中段追走から、勝負所でズルズル後退。明らかに実力不足。唯一の新馬勝ちからの挑戦なので、順当な結果。
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