楽勝で連勝してきた馬が、メンバーが強くなると意外なほど脆い負け方をするというのは、もう何度も見てきているが、そういうことが十分あり得るということを改めて思い知らされる結果となった。こういうタイプの1番人気馬は半信半疑になるべきという教訓を改めて得るレースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 4月19日(日) 2回阪神8日 天候: 曇 馬場状態:稍重
11R 第25回アンタレスS
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1800m 16頭立
馬場差 -1.0 完全タイム差 +0.1
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.6-10.9-13.1-12.3-12.2-12.1-12.0-11.9-12.7
通過:36.6-48.9-61.1-73.2 上り:73.2-60.9-48.7-36.6
2ハロン目は速かったが、それ以外は速くない平均ペースとなり、L1Fも大きくはバテないラップとなった。
2.完全タイム差検証
やや過大評価で0.5秒ほど低く見た方がよい。
3.各馬の分析
1着 8番 ウェスタールンド セ 8 藤岡佑介 56 1.49.8 35.0
後方2番手を追走。残り600mを過ぎたところから一気に外を回り加速し、直線入り口で勝負圏内まで上がって行くとそこから鋭い末脚で1着になった。
追い込み馬ではあるが、インを抜けてくることが多かったので大外ぶん回しの正攻法の差し切り勝ちは意外だった。ただ今回の上がり3Fのラップが「12.0-11.9-12.7」で昨年のチャンピオンズCが「12.0-11.6-12.1」だったので、チャンピオンズCでこの馬の末脚が大したことないように見えたのも納得で、今回はさほどレベルが高くないメンバーだったため鮮やかに差し切れたということなのだと思う。
2着 11番 アナザートゥルース セ 6 大野拓弥 58 1.50.1 36.6
外の前から5番手あたりを追走。直線入り口のあたりでは手ごたえが悪いように見えたが、最後までしっかり粘り切ることで2着に浮上した。今回先行したメンバーの中では一番持続力があったということのようだ。ただし、末脚の鋭いメンバーがいないことに恵まれた2着だったようにも思える。さらに、昨年のみやこSと比べると前半のペースが緩かったこともこの馬にとってよかったようだ。
3着 4番 クリンチャー 牡 6 石橋脩 57 1.50.1 36.4
アナザートゥルースの少し後ろを追走。4角からアナザートゥルースの外を回って追い上げてきたが、最後までアナザートゥルースを抜くことができずの3着だった。
前走ほどの末脚を見せることができなかったが、前走、前々走の上がり3Fタイムが、36.7、37.0で上がり最速だったので、36秒後半くらいの末脚しか使えないということなのかもしれない。ダートで新境地を見せたが、早くも弱点を露呈させた感じで、乱ペースでL1Fで大きく減速するような展開でないと厳しいようだ。
4着 15番 リワードアンヴァル 牡 4 三浦皇成 56 1.50.1 36.7
外から果敢に先行して3,4番手を追走、4角から直線にかけての追い上げで一旦先頭に立つも、上位勢に差されて4着になった。
オープン昇級初戦であったが、好位差しでオープンでもやれることを示した。末脚の鋭い馬がいないことに恵まれての4着ではあるが、オープンでも十分通用することを示した。
5着 9番 コマビショウ 牡 5 松若風馬 56 1.50.2 36.2
先行グループの後ろで一頭離れた中段を追走。コーナーでの加速は遅く、直線でジワジワ伸びての5着だった。
コーナーでの加速が遅く、直線の伸びもジワジワなので、上位に食い込むのは難しそう。
6着 10番 サトノプライム 牡 6 古川吉洋 56 1.50.6 36.0
後方追走から、直線だけで少し伸びた。
追走力がなさすぎる。
7着 6番 アングライフェン 牡 8 藤井勘一 56 1.50.6 36.5
後方追走から、3角からの早めのペースアップでいい脚を見せて加速してきたが直線での伸びはなかった。
仕掛けが早すぎたのは明白で、もっと上手い騎手が乗ればもう少し着順を上げられそうな雰囲気はある。
8着 3番 ロードゴラッソ 牡 5 浜中俊 57 1.50.7 37.1
5,6番手のインを追走していたが、勝負所、直線ではまるで伸びなかった。
9着 14番 メイショウスミトモ 牡 9 小牧太 57 1.51.0 36.6
後方追走からじわじわ伸びてはいるが大した脚ではなかった。
10着 12番 モズアトラクション 牡 6 幸英明 57 1.51.0 36.6
後方追走からインを伸びては来ていたが、あまりやる気をださなかったようだ。
いつやる気をだすかわからないムラ馬であるが、4戦連続やる気を出さない状態が続いている。
11着 13番 ナムラアラシ 牡 7 坂井瑠星 56 1.51.1 36.0
最後方追走で最後は伸びては来ていた。
12着 1番 ノーブルサターン 牡 6 高倉稜 56 1.51.5 37.3
後方追走から見所無し。
13着 2番 ワイルドカード 牡 6 岩田望来 56 1.51.6 37.8
好位追走していたが、直線の途中で脚が止まった。
14着 7番 ベストタッチダウン 牡 4 川田将雅 56 1.52.3 39.0
スタートで躓き2番手につけるのにやや苦労したが、勝負所から直線にかけてのところで後続に一気に飲み込まれ後退してしまった。
意外すぎるくらい勝負弱い所を見せた。気分よく走れないとダメなタイプなようだ。楽勝に見える連勝をしてきた馬はこういうことがよくあることを注意すべきということ、改めて思い知らされる結果となった。
15着 5番 ルールソヴァール セ 8 松田大作 56 1.52.6 38.6
インの3番手追走から勝負所で早々とバテた。
16着 16番 メイショウワザシ 牡 5 秋山真一 56 1.52.8 39.6
逃げて大きくバテた。
外枠から先手を取るまで脚を使ったということはあるが、メンバーレベル的に好走は無理だった。
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