アーモンドアイを始めメンバーの揃った好レースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 5月17日(日) 2回東京8日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第15回ヴィクトリアマイル
4歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立
馬場差 -1.7 完全タイム差 -0.5
タイムランクB メンバーランク C
LAP :12.0-10.9-11.3-11.4-11.1-11.2-11.1-11.6
通過:34.2-45.6-56.7-67.9 上り:67.7-56.4-45.0-33.9
馬場差-1.7ということで高速馬場状態が続いている。
高速馬場の古馬G1としては無理のないペースではあるが、中盤でペースが緩んでいないので、追走力に問題のある馬にとっては厳しいペースだったかもしれない、プリモシーン、スカーレットカラー、シャドウディーヴァあたりは中盤ペースが緩まなかったことで末脚が削がれた可能性が高い。
2.完全タイム差検証
かなりの過大評価。アーモンドアイの圧勝に幻惑されたのではないかと思う。1秒ほど低く見るべきで、トロワゼトワル、ダノンファンタジー、シゲルピンクダイヤあたりが上位にきていることからもこのくらいで評価しておくことが妥当。
3.各馬の分析
1着 12番 アーモンドアイ 牝 5 ルメール 55 1.30.6 32.9
好スタートから中段のやや前目になる5,6番手のポジションを追走。4角でじっくり進出を開始するとジワジワポジションを上げていき、残り200mあたりで特に追うことなく自然体で先頭に立ちその後他馬との差を広げて全くの楽勝だった。
他馬との性能の差をはっきりと感じさせる勝利で、これまで牡馬混合のG1で好走してきていた実績からして当然の結果だった。
ただ、ルメール騎手が言っているようにこの馬はスタートがどうなるかわからない馬で、3着となった安田記念はスタートで失敗して、有馬記念ではスタート前がエキサイトしすぎていたということで、この馬の場合は能力面での問題はなく、精神面の状態が勝負のカギとなる。そう考えるとこの馬で馬券勝負するのは、配当が低いことを考慮するとリスクが高いということになる。
2着 18番 サウンドキアラ 牝 5 松山弘平 55 1.31.3 33.8
好スタートから先団を狙い残り1200m地点で3番手のポジションを取る。
直線に入って追い出してジワジワ伸びて、前にいたトロワゼトワルがしぶとかったものの、ゴールの少し前で交わして2着となった。
年明けから重賞3連勝の勢いは本物で今年になって完全に本格化したことを示した。ただ、上がり3ハロンタイム33.8はこのメンバーではそう鋭いものではなく、前目のポジションと長くいい脚を続けられることを活かした2着となる。極端な瞬発力勝負になると分が悪くなることもあるかもしれない。とはいえ、アーモンドアイを別格とすれば牝馬古馬マイル路線で上位の実力があることを示した。
3着 16番 ノームコア 牝 5 横山典弘 55 1.31.3 33.2
スタートはよくなかったが、序盤のうちに前から7番手の位置までポジションを上げる、直線に入ってジワジワ伸びて残り200mを過ぎるとさらに勢いがついて3着まで浮上した。
上がり3ハロンタイムは昨年と全く同じでやはりマイル戦であれば能力上位であることを示した。騎手の言うようにスタートがよければ2着はあった走りだった。高速馬場適正があり末脚が鋭いことが武器となる。
4着 13番 トロワゼトワル 牝 5 三浦皇成 55 1.31.4 34.7
好スタートから2番手を2馬身くらい離す、やや速いペースで逃げて、最後までしっかり粘っての4着だった。
規格外のアーモンドアイがいなければ3着はあった好走であり、この馬としては久々の好走になった。好走した昨年秋のオータムHは馬場差-2.0の高速馬場と軽ハンデを活かしての好走であったが、今回のように馬場差-1.7の高速馬場であれば、軽ハンデでなくても好走できることを示した。今後も高速馬場の場合は警戒すべき馬となった。
5着 7番 ダノンファンタジー 牝 4 川田将雅 55 1.31.5 33.5
先頭を伺えそうなかなりの好スタートだったが、最内のポジションを取ると前をあまり追いかけることなく6番手のポジションに落ち着く、直線に入ると外にいたノームコアと同じような脚色で併せ馬のようになり伸びてきたが、ゴール前で脚色が鈍った。
前目のボジションにつけて器用に立ち回ることができるものの、超スローペースにならないと末脚を発揮出来ないのでイマイチな成績が続いている。
6着 4番 シゲルピンクダイヤ 牝 4 和田竜二 55 1.31.6 33.2
スタートはよく序盤はダノンファンタジーのすぐ後ろにいたものの、中盤は少しづつポジションを下げた。4角で騎手が追い出すとかなりズブくジワジワとしか伸びなかったが、最後まで伸びてはいた。
中盤の走りがあまりよくなく、しっかり伸び続けたとは言えかなりのズブさを示したので、今後も好走は難しそう。
7着 1番 ラヴズオンリーユー 牝 4 M.デム 55 1.31.8 33.5
中段追走から直線で伸びてはいるものの鋭い伸びではなかった。
この馬、上がり3ハロン最速で4回勝っているが、その最速が33.9秒なので、今回の33.5秒は自身の末脚はしっかり使っていることになる。なので、この馬はもっと距離があって、ペースがやや速くなり上がりが少しかかるレースの方が向いているということなのだろう。加えてこの馬はコーナーの加速が速くなくことも覚えておくべきで、そう考えるとこの馬に適した設定のレースは少ないかもしれない。
8着 5番 プリモシーン 牝 5 レーン 55 1.32.0 33.4
スタートは速くなくやや後方を追走。直線では外から伸びては来ていたが大した伸びではなかった。
後方から馬郡をさばくのが上手くない馬ではあるが、最後の直線では得に馬郡をさばく必要のない位置で走れたので特に不利はなく、自身の能力通りは走っていると考えられる。G1でメンバーが揃った場合はこのくらいの着順になるということだと思う。
9着 2番 ビーチサンバ 牝 4 福永祐一 55 1.32.0 33.4
スタート、序盤の走りは速くなく、やや後方からになる。直線に入っても追い出しにややもたついて最後は少し伸びてはいるものの、勝負になはならなかった。
10着 3番 シャドウディーヴァ 牝 4 池添謙一 55 1.32.2 33.4
スタートは速くなく、3,4角の追走でも徐々にポジションを下げながら後方になり、直線に入って少し伸びていた。
追走力はないものの、長くいい脚が使えるのが武器な馬であるものの、ここまでメンバーが揃うとこの程度ということなのだろう。
11着 15番 アルーシャ 牝 5 北村宏司 55 1.32.3 33.2
追走にかなり苦労していたようで、中盤では最後方までポジションを下げたが、最後は末脚をすこし発揮したが大した脚ではなかった。
12着 6番 トーセンブレス 牝 5 柴田善臣 55 1.32.3 33.3
最後方追走から直線の伸びも大したものではなかった。
13着 11番 サトノガーネット 牝 5 吉田豊 55 1.32.4 33.5
後方追走から特に見所無し。高速馬場は向かないのは明らか。
14着 17番 コントラチェック 牝 4 武豊 55 1.32.4 35.4
2番手追走からいいところがなかった。
自分のペースで逃げれたときに好走する馬だが、高速馬場は向かないようだ。また、同じく逃げなければよくないトロワゼトワルが高速馬場向きだったということなので、そもそもこの馬はノーチャンスだった。
15着 14番 スカーレットカラー 牝 5 石橋脩 55 1.32.8 34.5
中段のやや後ろを追走から、直線では全く伸びず。この馬にしては直線伸びなさすぎなので、追走で脚を使ってしまったということだと思う。末脚を発揮出来るように走らせるのが難しい馬のようで、初騎乗の騎手にとっては乗り難しい馬ということなのだろう。
16着 10番 メジェールスー 牝 5 岡田祥嗣 55 1.33.3 35.6
先行したが見所無し。
出走取消 9番 セラピア 牝 4 田辺裕信 55
出走取消 8番 ディメンシオン 牝 6 松田大作 55
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