G1らしく各馬持ち味を発揮する好レースになった。そんな中、グランアレグリアの強脚が目立つ結果になったのだが、「先週の結果分析」の番組での評価は厳しく辛口なものだった。僕はこの評価は正しいと思う。今回の結果で巷のグランアレグリアの評価は爆上げしたと思うので、今回の結果を分析してグランアレグリアの特徴をしっかりつかむことで今後美味しい馬券を取れる可能性は高くなるので、しっかりレース回顧すべきである。
1.レース結果の基礎データ
2020年10月 4日(日) 4回中山9日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第54回スプリンターズS
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1200m 16頭立
馬場差 -0.3 完全タイム差 +0.7
タイムランク D メンバーランク C
前半が下り坂直線になる中山芝1200mのコースは前半速くなりやすく、今回もG1のラップタイムとしては普通の時計なのだが、馬場差を考慮するとかなり速いと考えるべきである。また、開催の後半で内が荒れて外を通る馬が多かった。さらに、レース映像を見ると直線入口でかなり後方にいたアウィルアウェイがゴール直前で3着まで届いているので、かなり極端な、直線だけの、末脚の爆発力勝負になり、先行馬、好位差しの馬にとってはかなり厳しい展開になった。
2.完全タイム差検証
ほぼ妥当な完全タイム差に思う。グランアレグリアが安田記念よりややパフォーマンスを落としているのは、休み明けで調整が完全ではなかったためであろう。それでも勝てたのは、「先週の結果分析」での分析どおり、展開、馬場に恵まれたことが大きいのだろう。
3.各馬の分析
1着 10番 グランアレグリア 牝 4 ルメール 55 1.08.3 33.6
スタートは遅く、先頭からかなり離れた後方から2番手を追走。直線に入ってもまだ後方で大外に出し、残り200mから鋭く伸びて1着になった。
やはり1200mだと追走に苦労するが、その分脚がたまりL1Fで瞬発力を爆発させることができた。休み明けで安田記念ほどの出来にはなかったようだったが、超ハイペースだったこと、高速馬場でなかったことからL1Fの時計がかかり、さらに開催の後半で外差しの馬場になっていたと、色々かみ合っての1着だった。例年のように高速馬場で外差しが効かない馬場だったらこうはうまくはいかなかっただろう。
2着 3番 ダノンスマッシュ 牡 5 川田将雅 57 1.08.6 35.0
スタートはやや出遅れ気味だったが、二の足でリカバーし、4番手の位置を追走する。少しづつ外に出していき、直線では馬場の真ん中ああたりから伸びてくる。L1Fではグランアレグリアにあっさり交わされるも、前にいたミスターメロディを交わし2着になった。
先行馬のみならず、好位差しの馬もバテるペースの中、しっかり好位につけて好走したのだからやはり力がある。今回に関しては最高の走りをしていて、G1を勝てなかったのはツイていなかったとしか言いようがない。
3着 16番 アウィルアウェイ 牝 4 松山弘平 55 1.08.7 33.7
最後方を追走。直線入口で大外に出すも、それでもグランアレグリアよりも後方の位置。直線での最初の伸びはジワジワしたものに見えたが、ゴール直前で3着に進出した。
直線入口でかなり後方にいたこの馬が3着に来れたことから、このレースが極端な追い込みが効く展開、馬場になっていたことがよくわかる。
元々1200m戦でも直線だけで追い込む戦法の馬で、今回はそれがバッチリハマった。
4着 7番 ミスターメロディ 牡 5 福永祐一 57 1.08.8 35.0
中団を追走。多くの馬が内を避けやや外に進路を取るところあえてインぴったりを通り、4角で距離得を得て直線入口で3番手まで進出。
直線に入ってジワジワ伸びたが、ゴール前での伸び脚が足りず4着に屈した。
好位につけて最後ひと足使うこの馬の特性をしっかり活かしての走りだった。このレースが極端な追い込みが効く展開、馬場になっていたことが不運だった。
5着 15番 クリノガウディー 牡 4 三浦皇成 57 1.09.0 34.6
スタートはまずまずながら、周りが速いので後方から4番手の位置に下げる。4角で外を回り直線入口ではグランアレグリアより前の位置にいたが、伸び脚はジワジワしたもので5着まで。
好位につけれたときに好走する馬なので、超ハイペースの今回は出番がなかったが、それでもそこそこの末脚は示したので、少しは復調してきたのかもしれない。
6着 13番 レッドアンシェル 牡 6 M.デム 57 1.09.0 34.7
やや後方を追走。4角から徐々に進出し、直線入ってもしっかり伸びていたが、伸び脚が足りなかった。
この馬もしっかり差してきているものの、さらに後方からの追い込み馬に有利な展開になったのでここまでだった。
7着 5着 メイショウグロッケ 牝 6 浜中俊 55 1.09.1 35.4
中団を追走。4角をじっくり回り、直線に入って追い出すも伸びはジワジワとしたものだった。
前走がフロックではない走りを見せたが、G1ではここまで。
8着 1番 ダイメイプリンセス 牝 7 秋山真一 55 1.09.1 35.1 15
中団インを追走。直線でもやや内からそこそこ伸びてきていた。
9着 6番 ライトオンキュー 牡 5 古川吉洋 57 1.09.1 35.4
中団外追走。4角で外から進出を試みたが、直線では大して伸びなかった。
直線の爆発力勝負になった展開が向かなかったということはありそう。
10着 2番 モズスーパーフレア 牝 5 松若風馬 55 1.09.3 36.5
例によって超ハイペースで飛ばし最後まで粘るものの、ゴール直前で後続がどっとなだれ込む展開のため、10着になった。
前半飛ばし切るしかない馬なので、こういうこともあるということ。
11着 14番 エイティーンガール 牝 4 池添謙一 55 1.09.3 34.8
後方追走するも直線で伸びは大したことなかった。
差し馬なのだが、直線だけの爆発力勝負は向かないようだ。
12着 4番 キングハート 牡 7 北村宏司 57 1.09.3 35.3
中団追走。直線の伸びは大したことなかったが、そう悪いものでもなかった。
13着 9番 ダイアトニック 牡 5 横山典弘 57 1.09.7 35.7
中団追走。4角で進出を試みるも大して伸びず。直線の伸びも大したものでなかった。
イン有利の馬場で内枠でないと、やはり出番はない。
14着 8番 ダイメイフジ 牡 6 菱田裕二 57 1.09.7 35.4
中団追走から見どころなし。近走は前目につけれた場合、好走する場合があったが、超ハイペースでは前につけることはできなかった。て
15着 11番 ラブカンプー 牝 5 斎藤新 55 1.09.8 36.4
スタートは速かったが、すぐに離れた3番手まで下がってしまいその後はいいところがなかった。
16着 12番 ビアンフェ 牡 3 藤岡佑介 55 1.10.3 37.5
2番手追走したが、直線でズルズル後退した。この馬がゲート入りに時間を要したことで、発走時間が5分ほど遅れた。
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