同じコース・距離の金鯱賞と同じように典型的な前残り決着となった。が、金鯱賞が最後は接戦だったのにこちらは1着馬とそれ以降では差がつく決着となった。この結果は今回のメンバーの中ではユニコーンライオンの能力は劣ってはいないことを示している。
1.レース結果の基礎データ
2021年 6月 5日(土) 4回中京1日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第74回鳴尾記念
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 2000m 13頭立
馬場差 -1.3 完全タイム差 +2.1
タイムランク SL メンバーランク C
前半がかなりのスローペースになっていて、早めのペースアップが始まっている。こうなると、後方にいた馬は何もできない。また、2番手にいた池添騎手が「まさか逃げ切られるとは思っていなかった」と言っていたように、騎手もユニコーンライオンを舐めていたふしがある。
2.完全タイム差検証
SLランクなので上方補正が必要で、1秒くらい上に見た方がよさそう。
3.各馬の分析
1着 3番 ユニコーンライオン 牡 5 坂井瑠星 56 2.00.7 34.1
スタートよく楽に先頭に立ち、他馬をあまり離さない逃げをうつ。4コーナーで加速して他馬を少し離しリードを広げて直線に入り、ゴールまでリードを広げたまま1着となった。
ラップタイムからわかるように前半のペースがスローすぎてここでかなり楽ができたことで典型的な前残りの競馬となったが、展開に恵まれただけであればゴール前でもう少し後続に詰め寄られるはずで、そうならなかったのはこの馬に実力があったということ。前走が下級クラスの3勝クラス勝ちの成績とはいえ、前走の真完全タイム差を他馬と比較すると5番目に速いタイムとなるので、そう実力が劣るというわけではなかった。今季はかなり調子がよく自身のパフォーマンスをアップさせており、前目のポジションで競馬できることが多いことから、今後もどこかでチャンスがありそう。
2着 8番 ショウナンバルディ 牡 5 池添謙一 56 2.01.3 34.4
2番手追走。ユニコーンライオンが4角でペースアップした際にはついていかなかったものの、そこから2番手をキープしたまま後続を交わさせず2着となった。
騎手のコメントによると4角ではまさか逃げ切られるとは思っていなかったので追い出しを待ったということなのだが、同時にスパートしていたとしても結果は変わらなかった可能性は高い。この馬も展開に恵まれた形ではあるが、この馬の前走の真完全タイム差を他馬と比較すると4番目に速いタイムであり、直線で後続に交わさせなかっただけの実力はあるということ。
3着 1番 ブラストワンピース 牡 6 岩田康誠 57 2.01.4 34.0
中団やや後方のインを追走。4角をインぴったり回ることで距離得を得て、直線入口ではショウナンバルディのすぐ後ろのインの位置まで上がる。そこからしっかり伸びたもののショウナンバルディを最後まで交わせずの3着だった。
久々の好走となったが、この馬の好走実績は斤量57キロ以下のときに限られていたので、今回好走できそうな下地はあった。ただ、調子のよい頃の状態であればショウナンバルディは交わせたはずであり、それが出来なかったことからまだ本調子ではなかった可能性がたかい。
4着 4番 ペルシアンナイト 牡 7 幸英明 57 2.01.6 34.2
中団やや後方で、ブラストワンピースの外の少し後ろを追走。4角では外を回りすぎないように回り、直線に入って、坂では少しもたつくように見えたものの坂を上がってしっかり伸びたが4着までだった。
最後は末脚をしっかり発揮してブラストワンピースとの差は外を回った分程度に見えたが、今回のメンバーであればこの程度走るのは不思議ではない。
5着 5番 ワイプティアーズ 牡 6 松若風馬 56 2.01.6 34.5
インの4番手を追走。4角をインぴったりを回った距離得もあり、最後までしっかり粘って5着を確保した。
重賞5着とはいえ、インぴったりを回って展開にめぐまれたものなので、まったく評価できない。
6着 13番 サンレイポケット 牡 6 鮫島克駿 56 2.01.7 34.3
中団やや後方の外を回り、3角で大外から早めの進出を試みたが中途半端にポジションを上げただけになり、スパイラルカーブで大外を回ったことの距離損から直線入口ではかなり後方の位置になってしまう。スローで上りが速い展開になったためそこからの伸びは大したことなく6着までだった。
外枠とはいえ大きな距離損をする拙い騎乗であった。前走を勝っているとはいえ、馬、騎手ともに1番人気を背負う器ではないことが明らかとなる結果となった。
7着 7番 サトノソルタス 牡 6 川田将雅 56 2.01.7 34.4
中団追走。4角ではやや外ではあるが外を回りすぎないように回り、直線で進出を試みたが、上位に食い込めるような末脚はなかった。
前目のポジションにつけれたときだけ好走する馬なので、中団のポジションになったところで絶望的だった。今回のようなペースで川田騎手だったにも関わらず前目のポジションにつけれなかったということから、この馬が前目のポジションにつけれる機会を予想するのは困難なようだ。アテにできず軸馬には向かないムラ馬ということのようだ。
7着 11番 クラージュゲリエ 牡 5 松山弘平 56 2.01.7 34.6
3番手を追走したが直線で伸びなかった。
前目のポジションにつけて展開に恵まれたのだが、スローの瞬発力勝負には対応できなかった。
9着 6番 ブラヴァス 牡 5 武豊 56 2.01.7 34.5
中団を追走し、4角では外を回りすぎないようにして距離損なく回れたて、直線入口ではまずまずの位置にいたものの、そこから伸びなかった。
そもそも末脚は今一つなので、スローの瞬発力勝負には対応できなかった。
10着 2番 アフリカンゴールド セ 6 藤岡康太 56 2.01.9 34.2
後方イン追走。ずっとインを回ってこれてもここまでの馬。
11着 9番 ヒンドゥタイムズ 牡 5 福永祐一 56 2.02.0 34.5
後方追走。直線で外を回って後方から伸びようとするも末脚は大したことなかった。
元々末脚は大したものではなく、立ち回りのよさで好走してきた馬なので、スローの瞬発力勝負で後方の位置になってしまってはどうにもならなかった。
12着 10番 ペプチドオーキッド 牡 6 富田暁 56 2.02.6 35.0
後方追走から直線では大外に出すも伸びなかった。格下馬なので、当然の結果
13着 12番 アメリカズカップ 牡 7 西村淳也 56 2.03.2 35.9
中団外を追走していたが、直線では全く伸びなかった。
「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
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