明らかに格下と思われる2勝クラスを勝ったばかりの馬が3着に入るのを予想するのが難しいレースだった。競馬予想には実績だけでなく未知の可能性を考慮する必要があるということを思い知らされる結果となった。
1.レース結果の基礎データ
2021年 8月 1日(日) 1回函館10日 天候: 雨 馬場状態: 良
11R 第69回北海道新聞杯クイーンS
3歳以上・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指) 芝 1800m 12頭立
馬場差 -0.1 完全タイム差 +1.5
タイムランク E メンバーランク D
雨により少し渋った馬場になり、平均ペースとなった。早めの抜け出しを図る馬が多かったものの短い直線では後方との差があまりつかず。L1Fで最後の一伸びが出来る末脚が重要となるレースとなった。
2.完全タイム差検証
妥当な完全タイム差に思える。
3.各馬の分析
1着 9番 テルツェット 牝 4 ルメール 55 1.47.8 35.2
後方から2,3番手を追走。4角で外を回りすぎないように回り、直線入口では馬郡の中央の後方であったが、直線で鋭く伸びてゴール直前で上位勢を差し切って1着となった。この馬の持ち味である後方待機からの末脚炸裂での勝利となった。小回りで他の多くの有力馬が早めに脚を使うことを意識したのもよかったようだ。G1では足りないがG3レベルではしっかり脚を使ってくる存在。後方からでも中山での実績があるように小回りコースに対応できる強みもある。
2着 6番 マジックキャッスル 牝 4 戸崎圭太 56 1.47.9 35.6
スタートよく前から5番手辺りを追走。4角で外を回りすぎないように回り、直線入口では上位勢を飲み込みそうな脚色でジワジワ伸び続けゴール直前で前の内にいたフェアリーポルカを捕らえるものの、外から伸びてきたテルツェットには差されての2着だった。
スタートがよかったことと、小回りコースを意識していつもより前目の位置の競馬をしたが、その分最後の末脚が少し削がれた印象。それでもこのコースでこのメンバーの場合では最善の騎乗だったと思う。これで5戦連続馬券の対象となっており、軸馬としての信頼度は高い馬。
3着 10番 サトノセシル 牝 5 大野拓弥 55 1.47.9 35.5
中団のやや後方を追走。4角で外を回りすぎないように回り、直線に入ってすぐ内の後ろにいたテルツェットと同じような脚色で伸びてきて最後は明らかにテルツェットより末脚が劣ったものの、それでも3着にまで浮上した。
2勝クラスを勝ったばかりの3勝クラスの馬であるが、それでも足りるくらいメンバーのレベルが低かったということなのだろう。最後はっきりとテルツェットに末脚が劣ったように、重賞で常に好走するほどの実力はなさそう。
4着 3番 フェアリーポルカ 牝 5 三浦皇成 56 1.48.0 35.8
インぴったりの4番手辺りを追走。4角でインから早めに進出してきて、直線に入ってすぐ先頭の馬を捕らえて先頭に立ち、そのまま最後まで粘り切りそうな脚色だったものの、ゴール直前で甘くなって4着となった。
末脚は今一つなものの小回りコースでの立ち回りが上手い馬でここでは上位の実力があるように思えたが、最後3勝クラスの馬に差されたのは不満の残る内容だった。昨年より少し衰えがあるのかもしれない。
5着 1番 クラヴァシュドール 牝 4 藤岡佑介 55 1.48.2 35.5
最後方のインを追走。4角ではインを回り距離得を得で、直線ではよく伸びてはいたものの最後の伸びを欠いた。
上り3ハロンタイムは2番目なのだがインを効率よく回ったものなので評価できない。末脚が武器な馬ながら大した末脚ではなく、メンバーの弱いオープン特別でないと馬券の対象になるのは難しそう。
6着 4番 ローザノワール 牝 5 国分恭介 55 1.48.2 36.4
やや内の枠を活かして楽に先頭に立ち逃げるも残り200mで交わされる。それでも最後までしぶとく粘れてはいた。
ダートがメインで使われていた馬ではあったが、今回のようなソフトな芝であればそこそこやれることを示した。どこかで穴を開ける可能性はありそう。
7着 2番 イカット 牝 4 横山武史 55 1.48.4 36.0
インのやや後方を追走。4角でインを回る距離得を活かして直線入口では4番手まで浮上するもそこからの伸びを欠いた。
立ち回りはうまいものの、3勝クラスの馬なので、実力的にこの程度の存在。
8着 8番 ウインマイティー 牝 4 M.デム 55 1.48.4 35.8
後方の外を追走。4角では一番外を回る距離ロスはあったものの、直線での末脚も大したことなかった。
戦績が示すように古馬重賞では明らかに能力が劣る。
9着 11番 シャムロックヒル 牝 4 団野大成 55 1.48.7 36.5
外の2,3番手を追走するも4角で早くも騎手の手が激しく動き、ついていくのがやっとの状態になり直線入口ではかなり後方に下がってしまう。それでもバッタリとまることはなく、1着からの着差0.9秒に留め、そこそこの実力があることは示した。
やはり前走は内枠で極端に恵まれてのもので、外枠に入ればこの程度の存在。
10着 12番 シゲルピンクダイヤ 牝 5 和田竜二 55 1.48.7 36.4
外の4,5番手を追走。4角で外を回る距離ロスはあったものの、直線での末脚は大したことなかった。
3歳春の末脚が鋭かったころの面影はすっかりなくなってしまい、前目の競馬で恵まれたときにしか好走できない馬になってしまった。
11着 5番 ドナアトラエンテ 牝 5 川田将雅 55 1.48.8 36.7
2番手追走から4角で早くも手応えが怪しくなり後退してしまった。
元々能力的に大したことない馬ながら負けすぎなので、今回の馬場が合わなかった点はあったかもしれない。
12着 7番 マイエンフェルト 牝 5 川又賢治 55 1.49.0 36.5
特に見どころなく、ここでは実力不足は明らかだった。
「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
コメント