強い馬が能力を発揮して見ごたえのあるレースとなったG2戦は久々に見た気がする。圧倒的1番人気とG1馬2頭の組み合わせで決まって3連複3540円は結構いい配当だった。
1.レース結果の基礎データ
2022年 3月13日(日) 2回中京2日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第58回金鯱賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 2000m 13頭立
馬場差 -1.4 完全タイム差 -0.3
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.5-11.0-12.2-11.9-11.7-11.7-11.6-11.0-11.3-12.3
通過:35.7-47.6-59.3-71.0 上り:69.6-57.9-46.2-34.6 平均:1F:11.72 / 3F:35.16
2.完全タイム差検証
0.8秒ほど低く見た方がよさそう。レベルは高いが突出したものではないという程度なのだが、真完全タイム差を相対的に評価しているうちに評価値の基準がやや厳しめになっている面はある。つまり真完全タイム差が+0.5でも近年のレースではレベルの高い方に入るということ。
3.各馬の分析
1着 3番 ジャックドール 牡 4 藤岡佑介 56 1.57.2 34.6
スタートよく楽に先頭に立つ。1角に入る前にシフルマンが競りかけそうになるも、まるで寄せ付けず。その後は競られることなく先頭を走る。直線に入ってからも勢いは衰えず、坂を上がってからさらに勢いが増して後続を突き放しての勝利だった。2着3着のG1馬がしっかりしたパフォーマンスをする中での圧勝なのでかなり強い勝ち方であるのは間違いない。これで5連勝であるが、気になるのはまだ斤量56キロまでしか経験がないこと。長く脚を使うタイプだけに、ブラストワンピースのように斤量背負うとまるでダメになる可能性がある。ただ、久々に可能性のある新星が現れたので、無事に過大をクリアーしてより大きな存在になってほしいところである。
2着 10番 レイパパレ 牝 5 川田将雅 56 1.57.6 34.6
4番手追走から、しっかり伸びてきて2着となった。前目につけて最後ひと足使う、この馬の持ち味を最大限に活かせるレースだった。それでもジャックドールに0.4秒離されたので、これが良馬場でのこの馬の実力ということなのだろう。
3着 6番 アカイイト 牝 5 幸英明 55 1.57.8 34.7
中団追走。4角をインぴったり回り、直線に入るとそこからしっかり伸びてきて3着を確保した。後続のなかでは一番いい脚を使って追い込んできたように見えたが、上り3ハロンタイムで見ると他馬と大差なく、いつもよりは前のポジションにいた分末脚が削がれた形だが、それでもこのメンバーでは末脚上位でさすがG1馬という走りを見せた。こうした走りが出来れば今後も好走できる可能性は高そう。
4着 5番 ポタジェ 牡 5 吉田隼人 56 1.58.0 34.2
後方追走。直線で大外に出して、最後よく伸びたが、4着だった。序盤進んでいかなかったということなので、今回の前半のラップはこの馬が追走するのに厳しいものだったということはよく覚えておきたい。最後は上り最速の脚でよく伸びているので、やはり直線の長いコースでは走る。
5着 2番 ギベオン 牡 7 西村淳也 57 1.58.0 35.2
ジャックドールの少し後ろの3番手を追走。最後までよく粘っていた。ジャックドールが水先案内人になり程よいペースで先行できた形になった。上位4頭はかなり強かったので、そう強くないメンバーだったら3着以内はあり得る走りだった。
6着 1番 ショウナンバルディ 牡 6 岩田康誠 56 1.58.0 34.6
中団イン追走。4角をインぴったり回って、直線でインから進出しようとしたが、最後の伸びを欠いた。序盤進んでいかなかったということなので、今回の前半のラップはこの馬が先行するのに厳しいものだったということはよく覚えておきたい。
7着 13番 サンレイポケット 牡 7 鮫島克駿 56 1.58.1 34.7
中団外を追走。直線外から伸びようとしたが、外からよく伸びたポタジェとは対照的に伸びなかった。追走で末脚が削がれたのは明らか。この馬はスローペースでないとだめなようだ。
8着 8番 アラタ 牡 5 大野拓弥 56 1.58.1 34.5
後方インを追走。4角もインぴったり回り、直線インからよく追い込んでいるものの、前の馬が強くここまで。ペースがかなり遅くないとよいポジションが取れない馬のようだが末脚は堅実なので、もう少しメンバーが弱くなれば重賞でも十分好走可能な馬。
9着 12番 ランブリングアレー 牝 6 藤岡康太 54 1.58.2 34.6
後方追走から4角の終わりで外に出してよく追い込んではいたが、前の馬が強くここまで。近走ではエリザベス女王杯以外はそこそこ末脚が使えているので、この馬もメンバーが弱くなれば好走できそう。
10着 4番 ソフトフルート 牝 5 岩田望来 54 1.58.4 34.6
最後方追走。最後インからそこそこ伸びて上り3ハロンタイムは3番目の値となっているが、インぴったりを回ったので評価できない。近走は追走力に難のあるレースが多く、かなり恵まれないと好走は難しそう。
11着 11番 ステラリア 牝 4 M.デム 54 1.58.4 35.0
中団外を追走するも、最後の直線の伸びを欠いた。近走の戦績からするともっと上りのかかるレースでないとだめなのかもしれない。
12着 7番 シャドウディーヴァ 牝 6 福永祐一 54 1.58.6 35.4
中団追走するもまるで伸びず。過去2戦の凡走は距離が長かったためと思われたが、それだけではなく調子が悪かったのも敗因だったのかもしれない。そもそも連続で好走することがないので、調子の維持が難しい馬のようだ。アテにはできないタイプ。
13着 9番 シフルマン 牡 6 荻野極 56 1.58.9 36.1
序盤先頭に立つ気を見せるものの、ジャックドールが速いので2番手に控える。控えたところで自身にはオーバーペースだったようで、直線では後退する一方だった。
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