このブログの予想初挑戦は苦い結果となった。やはりトータルの戦績で能力評価するよりも前走のレースの評価を重視すべきということが、今回の僕の反省点であり大きな教訓となった。前走海外で善戦した馬が好走し、海外で惨敗した馬が本来の実力を発揮できなかったことは決して偶然ではないということである。
1.レース結果の基礎データ
2019年 6月23日(日) 3回阪神8日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第60回宝塚記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2200m・内 12頭立
馬場差 -0.4 完全タイム差 -0.4
タイムランク B メンバーランク B
LAP :12.6-11.4-11.5-12.4-12.1-11.9-12.0-11.6-11.5-11.4-12.4
通過:35.5-47.9-60.0-71.9 上り:70.8-58.9-46.9-35.3
やや遅めの単調なペースであり、残り4ハロンでペースアップする持久力戦になったので後方にいた馬には厳しい展開になった。
2.隊列分析
直線入り口で前にいた5頭で決着したが、このペース、隊列にしては意外に着差がついた。2着以下はあまり評価できないレースだったと思う。
3.完全タイム差検証
リスグラシューは間違いなく過去最高のパフォーマンスを発揮したと思うが、キセキ、アルアインが前走のパフォーマンスよりアップしているとは考えられない。そのため、このレースは0.9秒ほど低く評価した方がよいと思う。
なお、今回から前走の数値に真完全タイム差(完全タイム差を補正した数値)を使用している。
4.各馬の分析
1着 12番 リスグラシュー レーン 2.10.8 35.2
スタートはさほど速くなかったが、他馬が速くないので1角までに楽に2番手につける。勝負所のキセキのペースアップにも楽々ついていけて、直線でキセキを交わすと最後は突き放す一方という強い勝ち方だった。
緩いペースだったとはいえ、先行して好位差しの競馬が出来るとは驚いた。馬はなぜか終始左を向いて走っていたので、制御するのも楽ではないはずなので、レーン騎手の騎乗技術によるところも大きかったのではないかと思う。
こうして前につけれるレースができたことで、今後好走出来るレースの幅も広がったと思う。秋の活躍が楽しみになった。
2着 1番 キセキ 川田将雅 2.11.3 35.8
スタートは速くなかったが、他馬が競りかけてこなかったので楽に先頭に立つ。その後も楽なペースで逃げて速めにスパートするも最後は末脚が鈍り2着となった。
スタートが遅く末脚が鈍いのは大阪杯での走りの印象通りだったのだが、これでよく2着になれたなという感じで、3着以降の馬がよっぽどだめだったということだと思う。キセキ自身の欠点がハッキリしていたとはいえ、今回のメンバーであれば能力上位と評価すべきだったということなのだろう。ただ、この馬のスタートは遅いということはもう戦績から明らかなのに誰もペースを乱しにこなかったことは、この馬にとってすごく恵まれた状況になったと思う。
高速馬場の東京競馬場以外では、この程度のパフォーマンス能力の馬であるということはしっかり覚えておくべきである。
3着 11番 スワーヴリチャード M.デム 2.11.6 35.7
スタートは遅かったが、ペースが遅いと見てじわじわと前に進出し、リスグラシューの少し後ろの外を追走する。勝負所では騎手の手が激しく動き鞭が入るなど反応がよくなかったが、じわじわ伸びて3着を確保した。
このメンバーでは能力上位だったため、なんとか3着に入れたということだと思うが、この馬のよいところである勝負所での反応の素早さが全く見られなかった。もうズブくなってきているのかもしれない。この馬はスタートがよくなく、持続力もそうないので、勝負所で素早く反応できなくなってきているとすると今後の好走は難しいかもしれない。
4着 4番 アルアイン 北村友一 2.11.9 36.1
好スタートながら行く気を見せず、最内の3番手を追走。勝負所の反応はまずまずだったが、直線で速い脚が使えず最後はスワーヴリチャードに交わされて4着となった。
非常に消極的なレースをしたと思う。緩いペースになれば最後速い脚は使えない馬なので、4着になるのも当然の結果。この結果は距離によるものではない。
先行して常に自身の能力は安定して発揮出来る馬なので、もっとハイレベルな騎手が乗れば3着以内に入る割合ももっと上がるのではないかとも思う。
5着 2番 レイデオロ ルメール 2.12.1 36.0
最内で5番手を追走していて、勝負所での反応が悪く、最後もあまり伸びずに5着となった。
インぴったりで距離ロスなく走れての5着なので、外を回っていたらさらに着順は悪くなった可能性がある。
コーナーでの加速に苦労するのはいつものこととはいえ、最後全く伸びなかったのは残念だったが、前走の海外でのレースをしっかりチェックしておくべきだったと猛反省している。
前走の海外でのレースでは逃げて、最後この馬らしい末脚が全く発揮できていなかったのだが、いつも末脚を発揮している馬が、最後全く伸びないレースをした後は、その後も末脚を発揮出来なくなることはわりとよくあるので、そうした可能性を考慮すべきだった。今回の凡走は単に調子が悪かっただけではなく、メンタル面、勝負根性に問題があった可能性がある。だとすると今後も危険視すべきであり、再度末脚を発揮するレースをするまでは軸にはすべきではない。
「いつも末脚を発揮している馬が末脚を発揮できずに惨敗した場合の次走は危険視すべきである」ということが、このレースからの最大の教訓となった。
6着 10番 ノーブルマーズ 高倉稜 2.12.4 36.0
後方から外を回って、最後はよく差してきているが、上位馬とのレベルの差は歴然ということだと思う。
7着 6番 スティッフェリオ 丸山元気 2.12.4 36.3
その気になれば逃げれそうなほどの好スタートと初速の速さだったが、中段に控えてしまう。勝負所、直線での反応もイマイチで伸びきれず。低レベルのG3勝ちしかない程度の馬なので、当然の結果。
8着 9番 クリンチャー 三浦皇成 2.12.5 36.4
中段追走から勝負所では、一応スパートしているように見えるものの、上位馬との力の差は歴然だった。
9着 3番 エタリオウ 横山典弘 2.12.6 36.4
後方追走から、早めにスパートして前に取り付こうとするも、4角で他馬もペースアップしたので先団にとりつくことができず、9着に敗れた。ロングスパートが不発に終わったのは天皇賞の激走の疲れが残っていたとのこと。それで改めてこの馬の戦績を見ると好走するのは休み明けとその次走に集中しているので、この点は覚えておくべきだろう。
10着 8番 ショウナンバッハ 吉田豊 2.12.6 35.9
後方からも、末脚不発。早めのペースアップで脚を使わされたこともありそうだが、それでもマカヒキよりは末脚はよかった。
11着 7番 マカヒキ 岩田康誠 2.12.9 36.3
ポツンと最後方から、4角のペースアップで早めに進出せざるを得ない展開になったので、末脚を分散されてしまい、全くいいところがなかった。絶対的な能力が劣るので、ハイペース戦になってずっと後方がで我慢して最後他馬がバテるにのに乗じて追い込んでくるような展開にならないとだめなのだろう。これでまた人気が落ちると思うので、また、どこかで遊び馬券で狙ってみたい。
12着 5番 タツゴウゲキ 秋山真一 2.13.9 37.5
直線途中で息切れ、今後オープン戦で使うにしても、よい兆候を見せるまでは無視でよいだろう。
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