単勝1番人気が5.6倍と非常に難解なレースであり、結果も能力差というよりもたまたまハマった馬が上位にきており、予想することが非常に困難なレースだった。そもそも道悪能力が未知数な馬が大多数だったので、このレースは見送りが正解だったと思う。ただし、このレースからはっきり道悪がダメな馬がわかったりしたので、今後に向けてしっかりレース回顧すべきレースではある。
1.レース結果の基礎データ
2019年 6月30日(日) 2回福島2日 天候:小雨 馬場状態:不良
11R 第68回ラジオNIKKEI賞
3歳・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1800m 16頭立
馬場差 設定不能 完全タイム差 設定不能
タイムランク 設定不能 メンバーランク C
LAP :12.6-11.1-12.2-12.6-12.5-12.3-12.4-11.9-12.2
通過:35.9-48.5-61.0-73.3 上り:73.9-61.3-48.8-36.5
馬場差が設定不能になるほどの不良馬場となった。
2.隊列分析
内で距離ロスなく走りたい馬と外の馬場のいいところを通りたい馬がいたことから、大きく横に広がる隊列となった。やや縦長ながら、外を選んだ馬がしっかり伸びているので、やはり外の方が伸びる馬場であったようだ。
3.完全タイム差検証
完全タイム差は設定不能であるが、前走の完全タイム差から今回の真完全タイム差を推定してみると+0.7秒くらいに設定するのが妥当に思える。下位の馬は大きくパフォーマンスを落としているが、道悪が堪えたことが大きかったと思える。
4.各馬の分析
1着 14番 ブレイキングドーン 牡 3 田辺裕信 55 1.49.8 35.9
スタートは速くなく中段のやや後ろの位置を外を回って追走する。4角から徐々に進出し、直線入り口では外から5番手あたりの位置まで押し上げ、直線では最後まで伸び続け1着となった。
終始外を回る距離ロスがあったものの、馬場の悪い所を通りたくなく、意図的に外を回ったようだ。この馬の戦績を見ると速い末脚がなくトップスピード能力で劣るので、高速馬場では全くいいところがないものの、馬場が渋って時計がかかるようになると能力が発揮できるようだ。また、気難しい面もあるようなので、外枠でスムーズに走れたのがよかったようだ。このように、今回は色々かみ合っての勝利なので、この馬の特徴をしっかり覚えておきたい。
2着 2番 マイネルサーパス 牡 3 柴田大知 54 1.49.9 36.3
スタートはよかったが、無理に先行争いには加わらなかったものの、インぴったりを走ったコーナーワークを利して向こう上面では最内で前から3番手に進出する。4角の勝負所でも追い出しを我慢し、直線に入って追い出すとしっかり伸びて2着になった。
インぴったりを走る省エネ走法で2着となった印象。この馬の戦績を見ると先行した経験は未勝利戦までさかのぼらなければならないので、この馬がこうしたレースができると予想するのは難しい。騎手のコメントでは道悪は得意ではないとのことだが、道悪によって前半のラップタイムが速くならなかったことがこの馬にとって良かったのだと思う。かなり恵まれての2着なので、今後も好走できるかは微妙だと思う。
3着 13番 ゴータイミング 牡 3 武豊 53 1.50.1 35.6
やや出負けして最後方となったが、大外から長くいい脚を使い3着に浮上した。
最後の直線ではかなり外を回ったので、内の馬場がかなり悪くなっていたことが大きそうだ。
この馬は、東スポ杯、シンザン記念は凡走したが、前走の500万条件戦では上がり3ハロン最速タイムで勝ったので、最近本格化したということなのだろう。あと、このレースでは上がり3ハロンタイムがいい馬が少なかったので、このメンバーでは末脚が優れている方だったということのようだ。
4着 3番 ダディーズマインド 牡 3 宮崎北斗 54 1.50.1 36.8
好スタートから何が何でもいく構えを見せハナを奪い4角を回り切るまで楽な手ごたえで直線に入って最後まで粘るも他馬の強襲に屈しての4着だった。
最後の直線では外の馬場のいい所を走った馬が差し届いたということはあるが、インぴったりを楽な手ごたえで逃げれても3着以内に入れなかったので、あまり強くないということだと思う。
5着 16番 アドマイヤスコール 牡 3 横山典弘 54 1.50.1 36.2
後方からインぴったりを追走し、最後までインでジワジワ伸びて5着となった。
あえて馬場の悪いインを通って、最後まで伸び続けたので、道悪が得意な馬なようだが、他の差し馬が外を回る中、距離得した面もあるので、能力評価は難しい。
6着 11番 ヒルノダカール 牡 3 丸山元気 53 1.50.3 36.1
中段追走から、最後まで一応伸びてはいたが、上位馬ほどの末脚は発揮できなかった。
上位馬とははっきり能力が劣るように見えた。
7着 6番 ブレイブメジャー 牡 3 戸崎圭太 54 1.50.5 37.0
終始外を回る形ではあったが、前から3,4番手を追走し、直線入り口では突き抜けそうな雰囲気だったが、残り200mで脱落した。
好位差しが決まりそうな雰囲気で途中まで走れていたので、騎手がコメントしていたように距離が長かったということはありそう。距離短縮で見直せそうだ。
8着 4番 ポルーニン 牡 3 武藤雅 53 1.50.5 36.3
内枠だったが、一旦下げて後方の外を追走する。4角から一番外を回り追い上げて直線も途中までは良く伸びているが、最後は脱落した。
内枠ながら外を回ったのはあまり揉まれたくなかったからとのこと。レース映像を見ると、3着のゴータイミングと末脚能力の差はあまりなく、仕掛けのタイミングとコーナリングの差のように見える。戦績からもこのメンバーの中では末脚上位に見えたが、一応そのとおりの能力は示した感じ。3着に入れたかどうかは騎手の腕の差があったようにも思う。
9着 9番 ヒシイグアス 牡 3 M.デムーロ 54 1.51.0 36.7
スタート後ダッシュつかず中段からになり、ズルズルと後方に下がっていき、最後は大外に出して少しだけ伸びただけだった。
この馬としては先行できなかったことで、もう勝負にならなかったので、道悪は極端にダメと考えてよさそう。
10着 8番 サヴォワールエメ 牝 3 内田博幸 51 1.51.0 36.5
後方のままいいところなかった。
この馬はスローペースで先行できたときだけソコソコやれている程度なので、好走できるレースの幅は狭そうだ。
11着 5番 ディキシーナイト 牡 3 石橋脩 56 1.51.1 37.7
好スタートから2番手で追走するも、最後の直線では全くいいところがなかった。
この馬の戦績からすると負けすぎなので、道悪がダメと考えてよさそう。
12着 7番 インテンスライト 牡 3 菊沢一樹 54 1.51.3 37.4
中段で追走に苦労し、最後の直線でもいいところがなかった。この馬も戦績からすると負けすぎなので、道悪がダメと考えてよさそう。
13着 10番 レッドアネモス 牝 3 北村友一 54 1.51.6 37.6
まるでいいところがなかった。この馬も馬場のため能力が発揮出来なかったようだ。
14着 12番 ウインゼノビア 牝 3 津村明秀 53 1.51.7 37.6
まるでいいところがなかったがそもそもこの程度の能力なのだろう。
15着 15番 ランスオブプラーナ 牡 3 松山弘平 57 1.51.8 38.0
好スタートで前に行く気を見せたが、外枠だったこともあり先手を取るのに苦労し前から5,6番手を追走することになり、直線ではズルズル後退した。
気分よく先行できないとダメな馬のわりに初速がそんなに早くないので、外枠に入ってしまったことでもうアウトだった。今回は惨敗ではあるが、気分よく先行してあっさり3着以内に入ることも今後あり得ると思う。
16着 1番 ギルマ 牡 3 三浦皇成 53 1.51.9 38.2
戦績からして負けすぎなので、調整があまりうまくいってなかったということもありそう。
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