この時期の3歳馬は斤量が軽いことを活かして好走する場合がわりとあって、それはよく函館スプリントSで発生していたのだか、今年は中京記念でそれが発生したという感じの結果となった。斤量に恵まれただけで、その後はまるで好走できない馬も多いので、ここでの結果を過信してはならないのだが、3歳馬が複数出走した場合は今回のように3歳馬が複数好走するケースも想定すべきということが来年以降の中京記念の予想の際の教訓になった。
1.レース結果の基礎データ
2019年 7月21日(日) 3回中京8日 天候: 曇 馬場状態:稍重
11R 第67回トヨタ賞中京記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1600m 16頭立
馬場差 -0.3 完全タイム差 -0.8
タイムランク D メンバーランク C
LAP :12.4-11.3-11.6-11.4-11.3-11.4-11.9-12.3
通過:35.3-46.7-58.0-69.4 上り:69.9-58.3-46.9-35.6
レース後コメントでは馬場を苦にしたものが見られたが、そう力のいる馬場にはなっていない。この程度の状態でパフォーマンスを落としている馬は力のいる馬場が全くダメということなのだろう。
2.隊列分析
平均ペースで流れたのと、外に出しても伸びない馬場だったので直線入り口では縦長の隊列となった。
3.完全タイム差検証
グルーヴィット、クリノガウディーは軽ハンデを活かしてパフォーマンスをUPさせた。プリモシーンはいつもと違う前目につける戦法だったため、パフォーマンスをDOWNさせた。ミエノサクシード、グランドボヌール は前走とほぼ同等のパフォーマンスを見せたと考えると、この完全タイム差は妥当である。
4.各馬の分析
1着 5番 グルーヴィット 牡 3 松山弘平 52 1.33.6 34.6
中段追走から、直線入ってすぐでは伸びは今一つに見えたものの、ゴール直前でひと伸びして1着になった。
エンジンのかかりは遅く、減速ラップの中での最後のひと伸びだったので、トップスピードもそう大したことはないので、やはり軽ハンデを活かしての勝利だったと思う。この後まるで活躍出来ない可能性もあると思う。
2着 6番 クリノガウディー 牡 3 森裕太朗 52 1.33.6 34.4
グルーヴィットの少し内の前の中段追走から、4角から鞭が入りっぱなしの状況だったものの、最後までしぶとく伸びて2着だった。
先行してまるで末脚が発揮出来なかった馬が、中段追走に戦法を変えて、ソコソコの末脚を使える走りをすることができたので、今後に向けて収穫のあるレースだった。長くいい脚が使える持続力があるようではあるが、トップスピードは大したことなく、今回の好走の要因はやはり軽ハンデということだと思う。
3着 7番 プリモシーン 牝 4 福永祐一 55.5 1.33.7 35.0
中段の外を追走し、早めに進出し、ゴール直前で一旦先頭に立つも上位2頭に交わされた。
いつも後方待機のこの馬が速めのレースを行い、内容的には前走より少しパフォーマンスを落としたレースになったが、多頭数で差し馬の多い組み合わせだったので、いつもの戦法だと馬郡を捌くのに手間取るリスクがあったので、いつもより早めの戦法が正しかったと思う。いつもよりパフォーマンスを落としても勝てるメンバーだったが、3歳馬の軽ハンデにギリギリやられてしまった。
4着 15番 ミエノサクシード 牝 6 川島信二 54 1.33.7 34.3
外枠から、後方のインを追走し、直線でしっかり伸びての惜しい4着だった。
今回はインを通る意識を強く持っていたようだが、外枠だったため、後方からの位置取りになってしまった。ゴール前の脚色は一番よかったので、内枠だったらさらに上位だった可能性がある。この馬は地味ながらいつも直線でしっかり伸びて自身のパフォーマンスをしっかり発揮するレースをすることが多いので、堅実な馬である。トップジョッキーが乗れG3戦ならばすぐ勝てるのではないかとも思う。
5着 1番 グランドボヌール 牡 5 和田竜二 54 1.34.0 35.9
2番手追走から、直線で一旦先頭に立つも最後は交わされた。
1200m、1400m戦を中心に使っている馬だけに距離が長く合わなかった感はあるが、差し馬が多く先行有利な流れのわりには最後の粘りが足りないので、重賞では能力不足だと思う。
6着 4番 ジャンダルム 牡 4 藤井勘一 55 1.34.1 35.2
インぴったりの中段を追走し、残り400mで追い上げを開始し、坂を上がってからはいい末脚を使うも長く続かず残り100mで失速した。あまり末脚が長く使えない馬のようで、古馬重賞では全く好走実績がないので、明らかrに能力不足。ただ、オープン特別であればかなり好走出来る可能性はある。
7着 2番 エントシャイデン 牡 4 中谷雄太 54 1.34.1 34.4
後方追走で直線では外に持ち出し、坂を上がったところからよい末脚を見せた。
向こう正面でノメっていたということで、騎手は敗因を馬場と言っていたので、道悪や力のいる馬場は全く合わないと考えてよさそう。
8着 14番 カテドラル 牡 3 川田将雅 53 1.34.2 34.7
中段後方ながら、この馬としてはいつもよりも前の位置を追走し、直線では外から追い上げようとするもさほど伸びなかった。
3歳G13着の実績があるといってもその時点では3勝クラスよりやや低い水準のレベルなので、この程度の走りでも不思議はない。現時点では古馬と戦うには能力不足の可能性が高い。あと、この馬は軽ハンデが活かせなかったので、軽ハンデが活きない馬と考えてよいかもしれない。後方待機の戦法を取るようになってから強力な追い込みを武器にしてきたが、こうした瞬間的なトップスピードを活かすタイプは軽ハンデが活きないのかもしれない。
9着 12番 レインボーフラッグ 牡 6 小崎綾也 54 1.34.2 34.2
スタート決まらず後方から、最後は上がり3ハロンタイム最速の脚を使った。
近走堅実な末脚を使えているが、重賞で勝負するには能力不足のようだ。あと、スタートがよくないことも覚えておくべき。
10着 16番 キャンベルジュニア 牡 7 浜中俊 56 1.34.5 36.1
好スタートから3番手を追走するも、直線では全く伸びなかった。
好走出来ない不調状態がかなりながく続いているようだ。
11着 11番 ロードクエスト 牡 6 M.デム 57 1.34.5 34.5
ダッシュ付かず後方から、直線も大外からさほど伸びなかった。
デムーロ騎手らしいアイディアが全く見れず。ただ回ってきただけの印象のレースだった。やはりこの馬の能力はこの程度ということだと思う。
12着 10番 コスモイグナーツ 牡 4 国分優作 53 1.34.6 36.0
先行力を活かし4番手で先行するも直線では全く伸びなかった。
「単騎で行くのが理想なので……」と騎手がレース後コメントしているので、先行争いが起こるレースでは全く力を発揮出来ない馬のようだ。
13着 8番 ツーエムマイスター 牡 7 城戸義政 52 1.34.8 36.8
何が何でも行く構えを見せて逃げるが、直線では全く伸びなかった。
先行力があっても粘りが全く足りない。
14着 13番 ヒーズインラブ 牡 6 酒井学 56 1.35.1 34.8
後方のまま何もできず。よほど調子が悪いのか、衰えなのか・・・
15着 3番 ヴェネト 牡 7 松若風馬 53 1.35.3 36.6
オープン特別戦でも全く好走できていないことから、能力不足なことは明らか。
16着 9番 ロワアブソリュー 牡 6 幸英明 56 1.35.6 35.8
見所なし。
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