予想が難しいレースではあったが、3歳馬が上位を独占し、馬券的には固い決着となった。
1.レース結果の基礎データ
2019年12月14日(土) 5回中山5日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第5回ターコイズS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立
馬場差 -0.9 完全タイム差 +-0
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.4-10.5-11.0-11.5-11.9-11.8-11.1-12.0
通過:33.9-45.4-57.3-69.1 上り:69.3-58.3-46.8-34.9
速いペースではあったが、L4Fで少し緩んでいるので、ここで先頭は少し息を入れることができる絶妙な逃げであったことがわかる。
2.隊列分析
直線入り口でやや縦長になり、後方外からでは苦しい展開になった。
3.完全タイム差検証
過大評価であることは確実なものの、前走より明らかにパフォーマンスを上げている馬も多いので、どのくらい割り引くかは難しい。シゲルピンクダイヤを物差しにして0.5秒くらいの割引に留めた方がよいかもしれない。そう考えると牝馬重賞としてはそう悪くないレースレベルである。昨年もここでまずまずのレースをしてその後京都金杯などで好走した馬がいたので、今回もそういう馬が出てくるかもしれない。
4.各馬の分析
1着 13番 コントラチェック 牝 3 ルメール 54 1.32.2 34.9
スタート後、初速の速さを活かして1角に入るまでに一気に先頭に立ち2馬身くらい2番手を離して逃げて、勝負所でしっかり加速し最後まで危なげなく逃げ切った。
初速の速さはかなりのもので、ここで他馬に差をつけマイペースで逃げれればかなり強い。ここ2戦の敗戦は前半速い馬がいるG1レースだったことが敗因であったと考えてよさそうで、今後も組み合わせ次第となるが、活躍はできそう。
しかしながら、今回はトロワゼトワルが思ったより前半走らなかったことを予想するのは難しかった。普通に考えればトロワゼトワルと前半競り合って苦しくなると考えてしまうのだが、今回のように初速の速さで一気に差をつけられる相手であれば強いということなのかもしれない。
2着 8番 エスポワール 牝 3 M.デム 53 1.32.5 34.6
スタートは速かったが他馬が速く一旦中段に下げる。4角で先に外の後ろからスパートした馬が同じくらいの位置に上がってきたタイミングでスパートし、楽に加速して2着を確保した。
コントラチェックには0.3秒の差をつけられての完敗であったが、その他の馬の中では強いことを示した。
この馬、秋華賞以外は常に好走していて、安定度が高い。スローペースの方がよい馬かとも思ったが、今回のような平均ペースでも十分対応できていたので今後も好走できそう。
3着 7番 シゲルピンクダイヤ 牝 3 和田竜二 54 1.32.8 34.6
スタートは速かったが他馬が速くエスポワールより少し後ろの位置を追走する。L3Fの少し手前からスパートを開始し、伸びていたが最後まで末脚は続かず3着となった。
地力の高さは示したが、ロングスパート勝負よりも一瞬の切れ味で勝負したい馬なので小回りコースは合っていないようだ。ただし、それでも3着に入るのだから力はある。
4着 14番 フィリアプーラ 牝 3 丸山元気 53 1.32.8 33.8
最後方追走から、4角でもあまりスパートせず外を回りすぎない位置で回り直線だけでグングン追い込み4着まで浮上した。
前半の追走力はないが直線での末脚はいいものを見せたので、直線の長いコースで好走する可能性はありそう。
5着 1番 メイショウグロッケ 牝 5 蛯名正義 53 1.32.8 35.0
スタート後一旦先頭に立つも他馬が速く最内の4番手のポジションになる。インを距離ロスなく走りゴール直前までは粘っていた。
先行力があり最後まで良く粘れていたので、昇級初戦であったが、オープンでもそこそこやれそうなところを示した。
6着 5番 デンコウアンジュ 牝 6 柴田善臣 56 1.32.8 34.4
後方のインで追走し、4角の終わりくらいからスパートし良く伸びてはいたが、あまり切れ味は感じられず、少し能力が落ちてきているのかもしれない。
7着 9番 リバティハイツ 牝 4 藤岡佑介 55 1.32.9 34.5
後方追走から4角では外を回るも最後までよく伸びてはいた。
昨年は先行力を活かす走りで2着になったが、近走では末脚を活かす走りをしてるようで、確かによく伸びてはいるので組み合わせ次第では好走出来る可能性はありそう。
8着 2番 ウインシャトレーヌ 牝 5 松岡正海 53 1.33.1 35.0
初速は速くないが騎手が手を大きく動かして無理やり中段のインのポジションを取る。インを距離ロスなく走れた面はあるが、最後までバテることなく伸びてはいた。
単勝127.9倍の評価の割には悪くない走りであった。これならオープン特別戦であればどこかで好走できそう。
9着 6番 フロンテアクイーン 牝 6 津村明秀 56 1.33.2 35.0
中段の9番手位を追走するも最後はさほど伸びず。
前にも書いたが、この馬は56キロでの好走実績がない。
10着 10番 ダノングレース 牝 4 三浦皇成 54 1.33.2 34.6
後方からさほど伸びず。
11着 15番 ディメンシオン 牝 5 マーフィ 54 1.33.3 35.1
中段外からシゲルピンクダイヤの外の少し後ろから同じようにL3Fの手前からロングスパートを試み曲線での走りはよかったが、直線ではあまり伸びなかった。
曲線での加速ではよいところがあるので、外枠が響いたことはありそう。
12着 4番 ハーレムライン 牝 4 大野拓弥 54 1.33.6 34.9
後方から見所無し。騎手のコメントでは馬に走る気がなくなっているとのこと。
13着 11番 オールフォーラヴ 牝 4 ビュイッ 55 1.33.8 35.3
後方で終始外を回り、最後もさほど伸びず。ペースが遅くないとよくないというのはありそうだが、騎手のコメントでは「中山のマイルは独特です。外に張りながらで彼女のリズムを作れなかったです。東京コースの方が向いている印象を受けました。」とのことなので、東京コースで見直せる可能性はある。
14着 12番 フローレスマジック 牝 5 北村宏司 54 1.33.9 36.2
先行したが、4角で後退する。騎手のコメントだと「前めのポジションで無理せず運べたので、もう少し踏ん張れるかと思ったのですが。気を抜くところがあると聞いていましたし、その点には気をつけていたのですが、最後まで気持ちが続きませんでした。」とのことなので、この馬も能力以上に精神面の影響が大きそう。
15着 3番 モアナ 牝 5 石橋脩 54 1.33.9 36.1
この馬も先行したが、4角で後退する。騎手のコメントだと「スイッチが入らない感じで、本気で走ってくれませんでした。」ということで明らかに走らなさすぎ。ただ、ここまで下級クラスのレースで連続して好走していただけに、相手が強くなってやる気をなくした可能性もあるので、しばらくは軽視した方がよさそう。
16着 16番 トロワゼトワル 牝 4 横山典弘 55 1.35.1 37.4
先行したが、コントラチェックから少し離れた位置で消極的で、最後はまるで粘れず。
前走は軽ハンデ、超高速馬場馬場を活かした生涯唯一の好走だったということなのかもしれない。
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