過去10年のこのレースの傾向から、高松宮杯出走馬の好走が多いことに気づいたのはレース後のことだった。コース形態や距離が近いことから同じような展開になりやすいことは納得なのだが、このことにレース前に気づいていれば高松宮杯では道悪で能力が発揮できなかったラウダシオンと、新境地を見せたトゥラヴェスーラをピックアップするのは容易だったかもしれない。このことは来年までしっかり覚えておきたい。
1.レース結果の基礎データ
2021年 5月15日(土) 2回東京7日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第66回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 17頭立
馬場差 -2.3 完全タイム差 +0.7
タイムランク D メンバーランク C
平均ペースとなり、高速馬場への対応は必要なものの極端な瞬発力勝負にはならなかった。
2.完全タイム差検証
ほぼ妥当な評価になっていて、補正は不要に思える。
3.各馬の分析
1着 10番 ラウダシオン 牡 4 M.デム 57 1.19.8 33.5
好スタートから、先頭と少し離れた2番手を追走。直線に入ってジワジワと追い出し残り200mをすぎたところで先頭に立ち、最後はやや甘くなりトゥラヴェスーラが強烈な末脚で追い込んでくるところをギリギリ凌いでの1着だった。
前につけて最後までしぶといこの馬の持ち味を最大限に活かしての勝利だった。平均ペースになり瞬発力勝負にならなかったのもよかった。前走の敗因は道悪はだめということなのだろう。
2着 12番 トゥラヴェスーラ 牡 6 鮫島克駿 56 1.19.8 32.5
序盤中団を追走したものの、脚を貯めようとしたのか意図的に後方に下げる。4角は外を回りすぎないように回り、直線の坂での伸びはジワジワとしたものだったが、徐々に外に出していき、最後は強烈な末脚で先頭にギリギリまで迫っての2着だった。
前まで好位につける戦法で走っていた馬が、前走から末脚勝負の競馬に開眼したようだ。戦績から1200mまでしか実績がなかったのだが、この戦法であれば1400mでも大丈夫ということのようだ。前走の好走はフロックではないことを示した。ただ、最後坂ではないコースの方がよさそう。
3着 5番 カイザーミノル 牡 5 荻野極 56 1.20.0 33.5
4番手を追走。直線の伸びはジワジワとしたものだったが、最後までしぶとく伸びて3着を確保した。
4走前にブリンカーを装着してから、開眼して近走は安定して高いレベルで走っている。前目につけてしぶとい馬なので、スローの瞬発力勝負にならなければ今後も成績は安定しそう。
4着 11番 ミッキーブリランテ 牡 5 和田竜二 56 1.20.0 33.3
7番手あたりを追走。直線ではカイザーミノルの内のすぐ後ろの位置にいて、カイザーミノルと同じように伸びているものの、最後まで差は詰まらなかった。
前目につけてしぶとい持ち味は発揮できたが、ここでは少しだけ能力が足りなかったということのようだ。
5着 9番 ビオグラフィー 牝 4 三浦皇成 54 1.20.1 34.6
楽に先頭に立ち後続を少し離して平均ペースの逃げを打つ。L1Fでは少し甘くなり上位馬には交わされたが、悪くない走りだった。
オープン初戦だったが、十分通用するところを見せた。どこかでチャンスはありそう。
6着 6番 シャインガーネット 牝 4 田辺裕信 54 1.20.1 32.7
後方追走。直線では大外に出し、坂の途中でかなり勢いがついて鋭い脚を見せたものの、最後はそう鋭い脚ではなかった。
一瞬の脚にはみどころあった。ただ、今回まで後方待機になったのは初めてで、前走ダートだったことがスピードに影響したのかもしれない。まだ4歳ので今後どこかでチャンスはありそうなのだが、どういうときに好走できそうなのか、これまでの戦績からイメージするのは難しい。
7着 4番 エーポス 牝 4 岩田康誠 54 1.20.3 33.7
3番手追走していたが、ややかかり気味で、騎手が手綱を抑えながらの追走だった。その影響で最後伸びを欠いたということはありそうで、発馬後に他馬にぶつけられてしまい、馬が怒ってしまったことがかかった原因のようだ。ただ、それがなかったとしてもこのメンバーでの上位進出は難しかったように思う。
8着 7番 セイウンコウセイ 牡 8 内田博幸 57 1.20.4 33.4
中団を追走。でも最後まで伸び続けてはいた。
高いレベルで安定した走りをしているのだが、末脚が足りないので上位進出するイメージは持てない。
9着 2番 ビッククインバイオ 牝 4 大野拓弥 54 1.20.4 33.2
スタートはよかったが、二の足遅く後方の位置になる。インぴったりをまわり直線ではそこそこ伸びてはいたが、上位進出できるような勢いはなかった。上り3ハロンタイムは3番目に速いのだが、インぴったりを効率よく回ってのものなので、評価できない。
10着 1番 $エアアルマス 牡 6 松山弘平 56 1.20.4 33.6
好スタートだったが、インの5番手あたりといつもよりは後ろでの追走になったが、芝での末脚を試そうとの戦法だったようだ。しかし、さほど伸びなかった。ダートから芝に変わっての好走例は少なくましてやG2戦となるとなおさら厳しかったということだと思う。ダートから芝への変わりは嫌うのが基本。
11着 3番 グルーヴィット 牡 5 石橋脩 56 1.20.4 33.4
勢いつかず中団やや後ろ。直線でも大して伸びず。
そもそも末脚は今一つなのだが、追走で苦労してかなり後ろの位置になってしまったことも着順に影響してそう。好走しそうなときの見極めが難しいタイプ。
12着 14番 タイセイビジョン 牡 4 ルメール 56 1.20.5 33.3
後方追走から最後は外からよく伸びるものの体制決した後だった。
最後の伸びがよかったのでまだ人気になりそうだが、古馬重賞での3着以内実績がないので、基本嫌った方がよさそう。
13着 13番 エングレーバー 牡 5 浜中俊 56 1.20.6 33.9
5番手追走するも最後は大して伸びなかったが、終始右にもたれているのを矯正しながら走ったことが影響したこともあるようだ。オープン昇級初戦なので、これで見限らない方がいいかもしれない。
14着 15番 イッツクール 牡 5 北村宏司 56 1.20.9 34.0
中団追走から、見どころなく終わる。戦績からなぜこのレースを使ったのか疑問の出走。
15着 8番 ショウナンライズ 牡 8 丸山元気 56 1.21.0 33.5
後方追走のまま見どころなく終わる。
16着 16番 シーズンズギフト 牝 4 杉原誠人 54 1.21.0 33.9
やや後方追走から、後方追走のまま見どころなく終わる。古馬重賞でまるで通用していないのだが、折り合いに難があることが影響していることもあるようだ。
17着 17番 カタナ 牡 6 小野寺祐 56 1.21.8 34.3
後方追走のまま見どころなし。戦績から古馬オープンでの好走は絶望的かもしれない。
「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
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