各馬しっかり能力を発揮した、G1らしい見応えのあるレースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2020年 4月 5日(日) 2回阪神4日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第64回大阪杯
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 2000m・内 12頭立
馬場差 -0.8 完全タイム差 ±0
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.9-11.7-12.3-11.9-11.6-12.1-11.7-11.3-11.2-11.7
通過:36.9-48.8-60.4-72.5 上り:69.6-58.0-45.9-34.2
そう速いペースでなく、ややスローではあるのだが、1F以降は12秒台後半が発生せず、しっかりした追走力が必要になった。そして、早めのペースへの対応力が求められることになった。そのため、前でインのポジションを取ることが重要なレースとなった。
2.完全タイム差検証
かなり過大評価1.2秒ほど低く見た方がよい。昨年の大阪杯よりはメンバーがよかった分レベルは高かったが、G1としてはさほどレースレベルは高くない。
3.各馬の分析
1着 5番 ラッキーライラック 牝 5 M.デム 55 1.58.4 33.9
好スタートから早々と最内のポジションを確保し、3番手を追走する。向こう正面で前2頭が少し飛ばしても落ち着いて自身のペースを守り、4角でも最内で距離ロスなく走れることを活かしゆっくり回り、直線に入ると最内から鋭く伸びて1着となった。
中山記念の回顧で「今年は活躍が期待できるかもしれない。」と書いたが、早速G1タイトルを獲得した。
先行粘り込みから、勝負所の前に一旦脚を貯め、差し込んでくることができるようになったことが大きい。そして、今回のようにコーナー4つ、阪神内回りのコースではポジショニングが重要になるが、インで先行できて、4角で脚を貯め直線で爆発することで、この馬の特性を最大限に活かせた結果となった。今年は今後も活躍が期待できると思う。
2着 12番 クロノジェネシス 牝 4 北村友一 55 1.58.4 34.0
ラッキーライラックのすぐ外の半馬身くらい後ろを追走、4角ではラッキーライラックより早めに、あまり外を回りすぎないように進出し、直線で鋭く伸びるものの、ラッキーライラックには少し劣り2着となった。
この馬も好位のポジションにつけ、勝負所の前に一旦脚を貯め、差し込んでくるタイプだが、今までは早めのペースアップに対応できなかったのが、今回はL3Fのペースアップにしっかり対応できたのが収穫となった。この馬も今年の活躍が期待できそう。
3着 8番 ダノンキングリー 牡 4 横山典弘 57 1.58.5 34.3
好スタートからゆっくりイン気に切れ込み、この際に他に速い馬がいなかったため、一旦先頭に立つ。4角ても早めのペースアップ
で直線も先頭のまま粘り込みを図ったが、牝馬2頭に差されて3着となった。
たまたま速い逃げ馬がいなかったから先頭に立っただけで、途中ジナンボーにつつかれたりするも前半のペースはさほど速くなく、阪神内回り2000mでは悪くない戦法だったと思う。たた、この馬善戦することが多いものの、G1では勝ち切れない戦績が続いている。堅実ではあるが、G1で勝つには少し足りない馬と考えた方がよいのかもしれない。
4着 11番 カデナ 牡 6 鮫島克駿 57 1.58.6 33.5
後方から2番手を追走し、3角では一旦最後方に下がるも、外を回らないようにコーナーを回り、直線で鋭く伸びて4着になった。
後方から差してきたのがこの馬だけだったので、目立つ脚だった。
今年に入って上がり最速の脚を続けており、調子がよさそう。展開次第では強いメンバーでも馬券圏内に入る可能性はありそう。
5着 4番 ワグネリアン 牡 5 福永祐一 57 1.58.8 34.0
ラッキーライラックの少し後ろのインを追走、4角でも最内で距離ロスなく回れることでゆっくり回り、直線に入って追い出すも少しもたつき、ゴール少し前でようやくエンジンがかかりなんとか5着になった。
エンジンのかかりが遅い馬なので、阪神内回り2000mは明らかに合わない。特に調子が悪かったわけではない走りだった。
6着 10番 ジナンボー 牡 5 藤岡佑介 57 1.58.9 34.7
果敢にダノンキングリーに喰らいつき2番手追走したが、直線の途中で力尽きた。
さほど速いペースでないところをしっかり先行できて、やや力が劣っても3着以内に入れるような恵まれたレースになったにも関わらず最後は沈んでしまったので、G1戦で馬券圏内に入るのは困難な馬と評価した方がよさそう。
7着 3番 ブラストワンピース 牡 5 川田将雅 57 1.59.0 34.4
追走が速くなくやや後方を追走する。4角で外を回って進出し、直線入り口では一旦4番手に上がるもそこからの脚が続かなかった。
コーナーで早めに加速し、そのままスピードを最後まで持続するスタイルの馬であるが、2年連続大阪杯凡走から、やはり持続力は斤量に大きく影響を受けると考えてよさそうで、有馬記念勝ちは55キロだったからと結論づけてよいと思う。AJCCが57キロで勝てたのはメンバーが弱かったからで、G1では足りない馬と考えてよいと思う。
加えて、追走力が劣ることも今回ハッキリして、前半、中半で12秒台後半以降のラップが発生するようでないと、追走にかなり苦労するようだ。今後の活躍は厳しそう。
8着 6番 レッドジェニアル 牡 4 酒井学 57 1.59.1 34.5
5,6番手を追走し、4角のペースアップにはなんとかついていけたが、直線では失速した。
9着 7番 ステイフーリッシュ 牡 5 岩田康誠 57 1.59.4 34.9
5,6番手を追走するが、4角のペースアップで、前に進出する力がないので、ここまで。
10着 2番 サトノソルタス 牡 5 藤岡康太 57 1.59.4 34.6
後方追走から4角で外をまわり直線でさほど伸びず。
前走3番手のポジションが超スローペースだったためで、2着になれたのはメンバーが弱かったためで、前走が極めて恵まれだけで実力はこの程度。
11着 9番 マカヒキ 牡 7 ヒューイ 57 1.59.5 34.7
後方追走から4角で外をまわり直線でさほど伸びず。
時計のかかる馬場でないと末脚を発揮できないのは相変わらず。
12着 1番 ロードマイウェイ 牡 4 武豊 57 2.00.3 35.5
後方追走から4角で外をまわり直線でまるで伸びず。
ここでは能力不足は明らか。
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